抗菌薬、抗真菌薬の覚え方、まとめ

抗菌薬で、βラクタム系(ペニシリン系、セフェム系)やテトラサイクリン系などは名前がわかりやすいので、よいのですが、アミノグリコシド系やマクロライド系はわかりずらいですよね。今回は抗菌薬、抗真菌薬まわりのゴロを紹介します。

アミノグリコシド系のゴロ
「阿見のストーカー=源太、カナちゃんに振られ、難聴に」

  • アミノグリコシド系
  • ストレプトマイシン
  • ゲンタマイシン
  • カナマイシン
  • フラジオマイシン
  • 第八脳神経障害

※ニューキノロン系とともに濃度依存性の抗菌薬です
※バンコマイシンも難聴おこす。
※フロセミドとの併用で、第八脳神経障害=難聴などが増悪する
※βラクタム系はアミノグリコシド系と併用で相乗効果(^o^)めっちゃ効くようになる
※麻酔薬や筋弛緩薬と併用で神経筋ブロック=呼吸筋麻痺

マクロライド系
「まっ黒くろの襟の女子、味がある」

  • マクロライド系
  • クラリスロマイシン(ピロリ菌に有効)
  • エリスロマイシン 
  • ジョサマイシン 
  • アジスロマイシン

※副作用の少ないことで有名です。
※シトクロムP450の酵素阻害を起こします。

クロラムフェニコールの副作用のゴロ
「グレた不良の再生には苦労する」

  • グレイ症候群(新生児で赤血球が作れなくなり灰色になる)
  • 再生不良性貧血 
  • クロラムフェニコール

抗真菌薬のゴロ
「ミカのアナにトリコ。フルチンでナゾール」

  •  ミカファンギン(βグルカン=細胞壁、合成阻害)
  •  アムホテリシンB(ポリエン系、細胞膜を破壊) 
  • ナイスタチン(ポリエン系、細胞膜を破壊) 
  • トリコマイシン(ポリエン系、細胞膜を破壊) 
  • フルシトシン(DNA合成阻害) 
  • アゾール系=ミコナゾール、フルコナゾール(エルゴステロール=細胞膜、合成阻害)

※真菌のコレステロール=エルゴステロール

 

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わかりやすい!歯髄炎とその治療法

歯髄炎の似ている3処置「削ってからお薬を詰める」

国家試験で問われる歯髄炎の処置でややこしいものが3つあります。

  1. 歯髄鎮静消炎療法
  2. 間接覆髄法
  3. 暫間的間接覆髄法(IPC法)

これらはいずれも「削ってからお薬を詰める」という共通点をもっていますが、それぞれやろうとしていること=目的が違ってきます。今回はこれらをシンプルにまとめて全体像を把握することを試みたいと思います。

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鼻咽腔閉鎖不全の発音・構音の異常について

今回は、口蓋裂や脳血管障害で麻痺が起きた場合に起きる、鼻咽腔閉鎖不全などでの発音に関する問題です。しっかり誰が教えてくれるという教科がありませんので、勉強がしずらい。けどここ数年バリバリに国試で問われています。

口蓋裂言語

口蓋裂の人は発音に異常が生じることが多いです。構音障害は大きく2つ、

  1. 鼻咽腔閉鎖不全に関連する構音障害
  2. 鼻咽腔閉鎖不全に関連が少ない構音障害

に分けられれます。それぞれどのように異常ができるのか見ていきましょう。

 

1.鼻咽腔閉鎖不全に関連する構音障害

まずは問題を解いてみましょう。

108A-98

鼻咽腔閉鎖不全によって /na/ に聞こえる音はどれか。 1 つ選べ。

  1. /da/
  2. /ha/
  3. /ka/
  4. /pa/
  5. /sa/

 

正答 1

 

鼻咽腔閉鎖不全の開鼻声の覚え方
「バーバパパがママ、だったなら」

  • 「ba」「pa」→「ma」と発音される
  • 「da」「ta」→「na」と発音される

上の絵は、正常なヒトの発音時の咽頭の状態を示したものです。左側の2つは、鼻咽腔を開いたまま発音するもので、右側の2つは、鼻咽腔を閉じないと発音出来ないものです。つまり、上記の矢印のような変化が、鼻咽腔閉鎖不全のヒトでは起こります。右側の発音は出来ずに、すべて、左側のような状態で発音することになります。

  • 「ba」「pa」→「ma」と発音される
  • 「da」「ta」→「na」と発音される

となるわけです。

鼻咽腔閉鎖不全に関連する構音障害

  • 呼気鼻漏出による子音の歪み
  • 声門破裂音
  • 咽頭摩擦音
  • 咽頭破裂音
  • 喉頭摩擦音
  • 喉頭破裂音

 

声門破裂音

例えば、上のリストの2つ目、「声門破裂音」は、口腔内圧が保てないので、構音点が喉頭まで後退してしまう現象がおきます。そうすると、口腔内圧を必要とする子音を連続では発生できずに、とぎれとぎれの母音になってしまいます。
つまり、「たなか」は「あ・な・あ」と発音するようになります。「たなか」は口腔内で破裂させるのがわかりますよね?でも「あ・な・あ」は破裂などさせずに、声門のところだけで十分発音できますよね?
/b/ や /t/ や /k/ など発音するとわかりますが、破裂音や破擦音は、どこで空気を破裂させているか?というと、「口腔内」で破裂させていますよね。鼻咽腔閉鎖不全のためにそれができずに、「喉頭」で破裂させてしまうのがこの声門破裂音です。無声破裂音(t, p ,b, dなど)・破擦音(ts, dzなど)を発生する時に、破裂・破擦部位が声門部まで後退することが多くみられます。

他の「咽頭破裂音」「喉頭破裂音」なども同じように、構音点が後ろに下がることで起きる歪みです。

 

2.鼻咽腔閉鎖不全に関連が少ない構音障害

 

こちらの異常は、鼻咽腔は閉鎖できるが、舌の運動や口蓋の形がおかしいことで生じるものです。昔は、口蓋裂の患者さんでは手術がよくなく鼻咽腔閉鎖不全の人が多かったですが、近年は手術技術が向上し、この鼻咽腔閉鎖不全に関連が少ない構音障害が増加してきています。こちらは以下の3つがあります。

  1. 口蓋化構音:構音の位置が後方へ後退して発生する歪み。/t/などの歯音が/k/などの口蓋音に後退して歪みます。たたみ→かかみ
  2. 側音化構音:呼気が口蓋側方から出てしまって子音が歪む。舌縁と臼歯で作られる歪み音。「き・ち」→「き」、「し・ひ」→「ひ」
  3. 鼻咽腔構音:構音点が軟口蓋と咽頭後壁で作られて、口からではなく鼻から音が抜ける音です。n など鼻音っぽくなります。

最後に以下の問題を解いてみましょう。

新作

次のうち、鼻咽腔閉鎖不全に関連の少ない構音障害でみられるものはどれか。すべて選べ

  1. 鼻咽腔構音
  2. 声門破裂音
  3. 側音化構音
  4. 喉頭摩擦音
  5. 口蓋化構音

正答 1,3,5

 

今回は以上です。

発音や構音について、基本中の基本

発音や構音について

 

上記の構音表をみるためのポイント(実際に発音しながら読みましょう。)

  • 二大勢力、p,b,t d,k,gなどの「破裂音」とs, z, hなどの「摩擦音」がある。
  • 「破裂」とは空気をためて一気に放つこと。「摩擦」は、空間狭くして空気を摩擦させる感じ。
  • その中間に破裂も摩擦もする「破擦音」/ts/、/dz/などがある。
  • 「鼻音」は鼻に抜ける音。m, nなど
  • /r/ は「弾音」とよぶ。
  • どこで破裂・摩擦させるかで、4箇所覚える。
  • 1.唇、2.歯、3.口蓋、4.声門
  • ほとんどの音が、1,2の唇か歯で、破裂〜摩擦させた音である。3.口蓋音は/k/ /g/  /j/の3つのみ。4.声門音は/h/のみ
  • 有名な「パタカラ」体操は、パ:唇音、タ:歯音、カ:口蓋音、ラ:弾音、とこの構音部位を前から後ろへ一つずつ移動させたものである。(すべて無声音)
  • 「有声音」「無声音」声帯を振動の有無を言っている。「有声帯音」と呼ぶとわかりやすい。

味覚検査について

味覚検査の検査箇所

  • 舌前 2/3==鼓索神経
  • 舌後 1/3==舌咽神経
  • 軟口蓋==大錐体神経

で左右2つずつ、合計6箇所

ろ紙ディスク法の4試薬

  1. 苦味:キニーネ
  2. 酸味:酒石酸
  3. 塩味:塩化ナトリウム
  4. 甘み:白糖

※閾値の高い順にならんでいます。

 

基本5味覚の受容器は2つに分類できる

1.Gタンパク型受容体(Ac→cAMP、PLC→DG, IP3)

  • 甘み
  • 苦味
  • 旨味

2.イオンチャネル型受容体

  • 塩味(Na+イオンチャネル)
  • 酸味(H+チャネル)

ちなみに、旨味は英語の論文でも”umami”らしいです。日本人が見つけて発展させてきた味覚の一つです。

【生理学】おすすめの参考書

1.人体の正常構造と機能 ★★★★★★★

本当にすごい本だと思います。解剖、組織、生理、生化の各分野を横断して、人体の仕組みをわかりやすく解説してあります。基礎系で、躓いたときにはまずこの本を開いています。

この本に関しては、こちらで詳しく記事を書いています。
http://www.kokushi.space/?p=1198

最新の第三版では、同じ価格で電子書籍もついてくる!という超オトクな特典がついています。これはもう買うしかないですね。電子書籍ならスマホやタブレットで文字検索して一発で見たいページに飛べますからね。もう参考書としては最強だと思います。

特に「絵」と「図」が秀逸で、イメージしにくいところをかなりわかりやすくシンプルな表現をしています。本当にこの本がなかったら、分野別でバラバラのままだった知識が沢山あり、その多くがこの本を読むことでまとめあげられました。

シンプルな言葉と絵で構成されているので、わかりやすい分、足りないところがありますが、まずはこれで大きな流れをつかむことが、非常に重要です。その後細かいところ、肉付けしていくのが効率的です。

基礎で言うなら、この本と「Essential細胞生物学」が2大名著だと思います。2万弱で少し買うのに躊躇しますが、マストバイ!のおすすめの一冊です!一度図書館で確認してみてください!

デンタルX線写真でで左右がわからなくなる時、、、

デンタルX線写真でで左右がつい、わからなくなる時があります。パノラマ、CT、MRIではそんなこと無いんですが。欠損歯が多かったり部分的にしか写っていないとつい、わからなくなります。そんな時の対処法です。
今回はこの問題です。

正答 e

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食事摂取基準(2015年)覚えやすい!まとめ・ゴロ

食事摂取基準の問題がエグい

難問化を極めてきている歯科医師国家試験ですが、その中でも食事摂取基準の問題が近年ますますエグさを増しております。今回は皆さん苦戦する食事摂取基準の暗記系のものをまるごとやっつけてやろうと思って、自分なりの覚え方を書いてみようと思います。まずは以下の問題を解いてみて下さい。この記事は食事摂取基準(2015年)に準拠して書いています。

109A-50改 食事摂取基準(2010年)で耐用上限量の摂取量が定められているのはどれか。1つ選べ。

a  脂肪 b 炭水化物 c カルシウム d たんぱく質 e ビタミンK 正答 c

暗記の量が半端ない!

上記のような問題が近年増えているので、予備校の模試でもバンバンそのアタリつついてきます。「え?つまり下の表を完全に暗記しろってことなの?」というすごい状況になっています。栄養士の国家試験ならわかるんですけど、歯科医師の国家試験に必要なのだろうか、、、ただ、出題されてしまうのでどうにか覚えなくてはいけません。ネットで探してみましたがところどころいいゴロは落ちているものの、まとまったものは無かったのでここでまとめてみようと思います。

まずはこのグラフを覚える(栄養素に関する各指標の概念図)

上記のグラフを覚えなければいけません。つまり、以下の図でabcdが何に当たるのか、そらで答えられなければなりません。

「1.推定平均必要量」と「4.耐用上限量」は覚えやすい

この2つは言葉の意味からグラフの位置を導き出せるので楽です。「推定平均必要量」について、aはグラフで0.5のところ、平均の50%なので「推定平均必要量」だと導けます。「耐用上限量」について、dはもうぎりぎり一杯のところにいるから、「耐用上限量」だとわかります。名前から位置が判断しづらいのは「推奨量」「目安量」の2つです。この2つを死ぬ気で覚えましょう。

「2.推奨量」と「3.目安量」を気合い入れて覚える!!

この2つは、文字からグラフの位置を判断できません。ということで気合い入れて覚えるやつです。「推奨量」は、98%の人が足りているというところなので b です。cが「目安量」なのですが、実はcの位置ではなく、目安量は科学的根拠が出せずにいるので適当に定めている量、目安の量ということで、cのあたりになってればいいなーっていう置き方です。このアバウトな感じが目安なんだなってこともおさえておきましょう。

「5.目標量」だけグラフにはない。

栄養素の5つの指標のうち、目標量だけはグラフに書き表されていません。目標量は「生活習慣病」対策の値で特殊なものだからです。「生活習慣病の予防が目標です」と覚えましょう。これは後でもでてきます。

そして、食事摂取基準の本丸、各指標で定められている項目を覚えるの段、、、、下の図をどう料理して覚えるか、です。

1.推定平均必要量

50%の人が必要量を満たす量です。3大栄養素でみると、タンパク質は設定されているのに炭水化物も脂質も設定されていませんね。そりゃそうですよね、糖質制限ダイエットが登場するぐらい、米とりすぎですからね。あとお肉も食べ過ぎです。なので、これぐらいは取ってくださいね、の指定には入ってこないんです! それでも、上の表をみてみると分かるように、3大栄養素以外は、多くの項目が設定されています。設定されていないものが少ない。ということで、設定されていないものでゴロを作って覚えましょう。

設定のない!項目: 「平均もない!短小デックでパンツビオーン、カリ真っ黒」

  • 炭水化物(食物繊維含む)
  • 脂質(飽和脂肪酸、n-3,n-6系脂肪酸含む)
  • ビタミンD, E, K
  • パントテン酸
  • ビオチン
  • カリウム(K)
  • リン(P)
  • マンガン(Mn)
  • クロム(Cr)
 
何度も言いますが、これは「含まれていないもの」です。しっかりとそこは意識して覚えましょう。炭水化物=「炭水化物+食物繊維」で、食物繊維を含むこと、また、脂質=「飽和脂肪酸+n-3系脂肪酸+n-6系脂肪酸」で、脂質の飽和・不飽和脂肪酸も含んでいることにも注意しましょう。

2.推奨量

ほとんどの人(98%)が必要量を満たす量です。なんと、推定平均必要量とほぼ同じです!ナトリウムが多いだけです。ということで同じゴロを使います。

設定のない!項目: 「推奨されない!短小デックでパンツビオーン、カリ真っ黒な!」

  • 炭水化物(食物繊維含む)
  • 脂質(飽和脂肪酸、n-3,n-6系脂肪酸含む)
  • ビタミンD, E, K
  • パントテン酸
  • ビオチン
  • カリウム(K)
  • リン(P)
  • マンガン(Mn)
  • クロム(Cr)
  • ナトリウム(推定平均必要量と違うのはNaだけ!)

何度も言います笑、これは「含まれていないもの」です。また、炭水化物=「炭水化物+食物繊維」で、食物繊維を含むこと、また、脂質=「飽和脂肪酸+n-3系脂肪酸+n-6系脂肪酸」で、脂質の飽和・不飽和脂肪酸も含んでいることにも注意しましょう。ナトリウムの有無だけが、推定平均必要量と違うところです。

3.目安量

推定平均必要量(50%の人が満たす)も推奨量(98%の人が満たす)もどちらも科学的根拠を得る論文がないものについて、とりあえず定めた、あくまで目安の量です。こちらは、設定されている項目のほうが少ないので、設定されているものでゴロを作ります、、、と思ったところあることに気が付きました。

推奨量、推定平均必要量と比べて、驚いたのですが、なんと「ビタミン」と「ミネラル」に限ると、逆の関係になっています。相補的な関係と言うんでしょうか。つまり、
「推定平均必要量」+「目安量」=「ビタミン、ミネラルの全項目」
 の関係が成り立ちます。ということで、推定平均必要量のゴロをモディファイしていきます。

設定のある項目: 「目安箱ある、さむらいデックがパンツビオーン、カリ真っ黒」

  • n-3、n-6系脂肪酸
  • ビタミンD, E, K
  • パントテン酸
  • ビオチン
  • カリウム(K)
  • リン(PO34-)
  • マンガン(Mn)
  • クロム(Cr)

 こちらは、1,2と違って、設定されている項目ですので間違わないようにしましょう。ここだけは大きく注意です。以下の図のようにボスの推定平均必要量とは項目が相補的なっていることを理解しましょう。

スクリーンショット 2016 10 09 14 28 06 03

4.耐容上限量

とりすぎ注意なものたち。ミネラルとビタミンに対してのみ定められている。ミネラルはほぼすべて、ビタミンは6つ。ということで、変則的なんですが、ミネラルは、設定のないもの、ビタミンは設定のあるものでゴロを作っております。

「太陽でミネラル満タン!でも中真っ黒! えー?ビタミンビームがでないよう!」

  • 耐用上限量
  • ミネラルはほぼ全部だがNa、K、Cr(クロム)のみ除く。
  • ビタミンA
  • B6
  • D
  • E
  • ナイアシン(ビタミンB3)
  • 葉酸(ビタミンM)

Na(高血圧)、K(心臓とまる)で取りすぎやばそうなんですが、こちらには入っていないのが意外です。「中真っ黒」の部分、「な・か」は「Na・K」ですよ、「Na・Ca」ではないので、注意です。NaもKも目標量で指定されているので、耐用上限量に入っていません。ここはゴロを使うときの要注意ポイントです。

5.目標量(目標量はグラフに表せない)

「生活習慣病をなくす目標」

目標量=生活習慣病予防のための値です。なので、タンパク質、炭水化物、脂肪(飽和脂肪酸のみ)とNa,Kにのみ定められている。(2010年版では、脂肪は全部だった。コレステロールとか飽和脂肪酸とか、、、それらは2015では省かれています。コレステロールが悪い悪いっていわれてきたんですが、その根拠がちょっと怪しいんじゃないかって証明されてきたんですね。卵を一日一個までみたいなこといわれていましたけど、それは嘘なんじゃ?となってきているということです。

5.目標量で設定のある項目 =「三大栄養素とNa、K」

  • 炭水化物=「炭水化物+食物繊維
  • タンパク質=「タンパク質
  • 脂質=「飽和脂肪酸+n-3系脂肪酸+n-6系脂肪酸」だが、n-3とn-6のみ目標量が定められてない。
  • ミネラル=「Na、K」のみ。どちらも循環器系(心臓や血圧)にかかわる重要なミネラルですね。ちなみにNa,Kともに耐用上限量で定められていない!ので、こういうところでも釘打っておくと、後々思い出すときに思い出しやすいです。
  • 3大栄養素については、単純に量が指定されているわけではなく、3つのバランスが指定されています。つまり、炭水化物:50~60%、脂質:20〜30%、タンパク質:13〜20%というように、総エネルギーに占める割合はこのバランスがベストですよーと、指定されています。

目標量に関しては、クソゴロ様( https://goo.gl/qs1ohC )のゴロもありますので、こちらで紹介しておきますねー

目標量 「目標はナカタ、平和の使節!繊細なバランス。」

  • ナトリウム
  • カリウム
  • タンパク質、炭水化物
  • 飽和脂肪酸
  • 脂質
  • 食物繊維
  • エネルギー産生栄養素バランス

または、このようなシンプルなゴロも覚えやすいかもです。

目標量
「したたかなしほ」
  • 脂質
  • 炭水化物
  • タンパク質
  • カリウム
  • ナトリウム
  • 食物繊維
  • 飽和脂肪酸

最後、食塩(Na)について

  • 年々減少傾向だが、日本人はWHOの基準5g以下の倍以上を食べている
  • 健康日本21(第二次):8g(男女共通)
  • 食事摂取基準:男8g、女7g
  • 推定平均必要量目標量のみ設定されている
  • とりすぎで高血圧なりそうですが、耐容上限量には設定されていない!(ミネラルで設定されていないのはNa,K,クロムのみ)
 
1.推定平均必要量に関しては、上で紹介したような「含まない」もので覚えるのがややこしい人には、以下のようなゴロでもよいかもです。
1.推定平均必要量
「ABCつづかない!タンパクな仲間ぎょーさん!鉄道でセレブにようあえん!」
  • ビタミンA
  • ビタミンB1,B2,B6,B12
  • ビタミンC
  • ナイアシン
  • タンパク質
  • ナトリウム
  • カルシウム
  • マグネシウム
 

今回は以上です。下品なものばかりで毎度のことすいません…素敵な紳士・淑女のみなさんは、より清らかで素敵なゴロを作ってくださいねー。

【衛生学・口腔保健学・社会歯科学・その他法律系】のお薦めの参考書

 

1.公衆衛生がみえる ★★★

医科では有名な「病気がみえる」シリーズの「公衆衛生」の本です。医科系の本は、全国で勉強している人の数も関わっている人も多いので、参考書なども質の高いものが多いです。公衆衛生、衛生学分野ではおそらくもっとも多くの学生によまれている本の1つでしょう。社会保障、医療保険、介護保険、感染症、食品系、疫学、医療法、健康増進法、廃棄物、環境問題、すべてこの一冊で片がつくと思います!

何より図やイラストがわかりやすいです。社会保障制度や国家予算、介護制度など結構覚えること多く、複雑で頭がこんがらがってしまうところこの本では、図や割りきった説明でとりあえずの要点を理解することが出来ます。一から読み進めるのではなく「あれってどんな法律だっけ?」みたいな時に辞書的に開いて使っています。

まずこの本にのっているものはこちらで勉強して、歯科系に特化した口腔清掃指標だったり、フッ化物だったりは載っていないので、そのあたりはは授業プリントや正書で補って使っています。

 

2.「加藤の国試合格ノート 3.衛生」★★★

昔「衛生の達人」として販売されていたものです。加藤先生が麻布デンタルスクールに移ったタイミングで、麻布のテキストとして販売されるようになりました。加藤先生の本のシリーズは4冊あるのですが、こちらの衛生がバイブル的で秀逸です。 毎年すぐに売り切れてしまうので、まずは予約注文が始まったら予約をかけておきましょう。衛生学や口腔保健まわりは法律や社会情勢の変化とともに毎年覚える内容が変わってきます。常に最新のものを手元において参照するようにする必要があります。

http://www.azabu-dental.co.jp/category/NOTE/

要支援、要介護になった原因

要支援、要介護になった原因(H26国民生活基礎調査=基幹統計より)

要支援
要介護
1位
関節疾患
脳血管障害
2位
高齢による衰弱
認知症
3位
脳血管障害
高齢による衰弱
4位
骨折・転倒
骨折・転倒

下品なゴロ「Ⅱ型アレルギー、Ⅲ型アレルギー」

アレルギー疾患で、Ⅰ型とⅣ型はすっと、頭に入りますが、Ⅱ型とⅢ型は、少しやっかいで、どうしても暗記するしかないような感じです。ということでゴロを考えたら、驚くほど下品なものができてしまいました。気分を害された方がいらっしゃいましたら、本当に申し訳ありません。

下品なゴロです。すいません…

 

Ⅱ型アレルギー
「悪い2人が橋の下、良いケツでイッた、ピュッ」

  • 悪性貧血
  • 2型アレルギー
  • 橋本甲状腺炎
  • 溶血性貧血
  • ITP(特発性血小板減少性紫斑病)

※悪い男の二人組でしょうか、、、

 

Ⅲ型アレルギー
「3人でエリちゃんの子宮を形成する理由」

  • 3型アレルギー
  • 全身性エリテマトーデス
  • 糸球体腎炎
  • 血清病
  • 関節リウマチ

※難しい手術を完璧にこなすスペシャル医療集団か、ただの変態集団か、、、

全部床義歯(フルデンチャー)、部分床義歯(パーシャルデンチャー)のお薦めの参考書

歯科医師国家試験的な、全部床義歯、有床義歯のお薦めの参考書を紹介します。どちらの領域も実習・臨床実習で実際に体験できるものが限られているので、やはり写真やわかりやすいイラストが、大きな助けとなります。

有床の4つの教科書はすごく大事!

皆さんは教科書としておそらく、医歯薬出版社の以下の4冊をデフォルト買わされていると思います。いずれも必須の書です。国家試験は、どの教科もそうですが、医歯薬出版社の本に載っていることは全てチェックしましょう、という約束事があります。全国の教授が作成に関与しているNo.1の書籍ですから、教科書に指定されていることも多く、とにかく出題の標準・基準となるテキストです。揃っていない人はすぐに購入しましょう。わからないことなどはまずはこれらを紐解くべきです。

 

4聖書に加えて以下の本はまじでわかりやすいです

ただし、これらの書籍だけでは説明が足りないところがあります。特に、咬合器の操作についての詳細、オルタードキャストテクニック、チェックバイトを使用した再付着、重合の手技、義歯の経年変化、推進減少などの為害作用などなど、細かい所が聞かれるのに文章だけで説明されていて、うまくイメージできない箇所が多いです。むしろ難しくするために、そういった箇所を狙って問題作っているようにも感じられます。

今回紹介する書籍は、そういった部分を補ってくれるものです。ただあくまで上記の4つの教科書とあわせて使うものです。私は有床勉強するときにはうろ覚えの箇所など、4,5冊本を開いて一番わかり易い画像を探したり、解説を読んでいます。他の教科のように文章から実際の現象をイメージしなくてはいけない量が大きいので、本当に面倒ですがこのやり方が最も効率的に理解を進めていけることに気づきました。

【全部床義歯】「図説無歯顎補綴学―理論から装着後の問題解決まで」  ★★★

麻布の実践で、解説のところに図が書いてあることがありますが、殆どはこの本からの引用です。麻布のは白黒しかなく図は小さいですが、書籍中ではカラーで、体系的な説明も載っているので非常にわかりやすいです。どんなふうにわかりやすいか、以下に例をとって説明しましょう。

ハノーの咬合の5要素と、その調整のための式が図でわかりやすい

ハノーの咬合の5要素、イメージが掴みづらく、つい丸暗記してしまいがちです。でもこの本の図をみれば結構イメージできるようになります。5要素を調和させるための式は、、、

顆路傾斜 ✕ 切歯路傾斜角 / 咬頭傾斜角 ✕ 咬合平面の傾斜 ✕ 調節湾曲の深さ

でした。これをできるだけ一定にするように、あちらが大きければこちらを小さくする、みたいにやっていきます。下の図を見てみましょう。

顆路傾斜と切歯路傾斜によって、前方運動の角度が規定され、それのクリステン現象を補うために「人工歯の咬頭傾斜角」だったり、「咬合平面の傾斜」だったりで、なんとか調整つけていく、みたいな感覚が理解できませんか?分母の3要素と分子の2要素が、そんな風にわけれるんだ、とも理解できるし、現象として理解できるのでなんだか気持ちがよいです。

顎堤の吸収具合と咬頭傾斜の調節

こちらも下の図をみてください。顎堤がなくなっていくと、咬頭傾斜を小さくしなければなのですが、それが視覚的にわかりやすく示されています。要は、咬頭傾斜がきついと、推進現象がより強く起きるので、それを支えるための顎堤の高さが欲しい、という感じなんですが、こうやって図に示されているとわかりやすいですよねー。ああスッキリ。

推進現象がどうやって粘膜にダメージを与えていくか

上の話とつながって、推進現象がどう悪さをするかの図も、超わかりやすく描かれています。臨床実地問題で、床縁が痛いという主訴で、みたいな問題わんさかあるじゃないですか、そのたびにこういった現象をイメージしておくと、咬合調整だったり床の調整だったり、間違わずに判断できるようになりますよね。国試的には貴重なイラストだと思います。

リンガライズドオクルージョンの詳細写真

リンガライズドオクルージョン、上顎の舌側咬頭だけを下顎の中心窩にいれていく、みたいな説明だけでぼんやりとしたイメージしかなったですが、結構詳細に写真と説明があって、かなり理解深まりました。本当におすすめです。

失敗例のイラスト

失敗例を気合い入れて解説してくれるのもこの本の素晴らしい所。どうミスったらどんな風に変なことが起こるのか、これでもかっていう感じで解説してくれています。

アンチモンソンカーブなんてイメージないよ、という方に

「モンソンカーブの逆がアンチモンソンカーブです」みたいなバカみたいだなーって思って4年の最初に解説きくんですが、実際に長年の義歯使用でどの咬頭がけずれてどのようにアンチモンソンカーブができていくのか、懇切丁寧にイラストと文章で解説してくれています。さりげないところだけど、本当にわかるってこういうことの積み重ねだと思うんですよね。。。

ということで、この本はマストバイです!

【全部床義歯】「図説無歯顎補綴学―理論から装着後の問題解決まで」学建書院  ★★★

【部分床義歯】「スタンダード部分床義歯補綴学」学建書院   ★★★

そしてなんと同じ出版社から部分症義歯ver.も発売されています。名前がガラッとかわってしまってわかりづらいのですが、下の本も、学建書院の本です。全部床のものと同様にわかりやすいイラストと泣ける解説で本当に脇をかためてくれる一冊です。特に、重合の説明とか、「アメリカ、フランス、折衷法」の違いについて、これ以上わかりやすくはかけないんじゃないかなというぐらい、よいかんじです。是非チェックしてみて下さい。その他のところも図解力が半端ないです。イメージがつかみやすいです。

【有床全般】「有床義歯臨床ヒント集ーーカラーアトラスハンドブック 」クインテッセンス出版   ★★☆

より臨床的な内容ですがこのシリーズもおすすめです。医歯薬出版の「コンプリートデンチャーテクニック」や「パーシャル〜」は教科書的でほぼラボの写真ですが、この本はチェアサイドでやる直接法だったり応急処置みたいなところでぐっとイメージが付くようなっています。パラパラと合間にみるだけでもへ~ってうなずけるところが多く、よいです。特に義歯の修理だったり、適合試験とその結果の見方→処置、みたいなところは生々してくて、臨床実地問題に対応しやすくなるな、という印象でした。

 

それでもやっぱり4冊の教科書はよく見ておきましょう。

忘れては行けないのは、やはり、医歯薬出版の4聖書、をあわせて使用するということです。教科書も他教科に比べるとかなり写真多めでイラストも多いです。まずは、それらを見て、うまくイメージできないときなどに、上記の本にあたってみるというのがよいでしょう。補綴系は本当に臨床的なことだったり、技工的なことだったりイメージを頭に描けるかどうかが最も重要なポイントになってくると思います。面倒ですが、今回あげた書籍などを脇に携えて画像的に理解していくことで効率的に国家試験の問題に対応していけるようになっていくんだと思います。

 

YOUTUBEも活用しましょう

例えば、下の動画は、フルデンチャーの技工過程をざざっと簡単にみれる動画です。わからない手技があればyoutubeでとりあえず探してみると意外とみれることがあるので、映像はかなりイメージつけるのによいです。

全部床義歯の技工、全体的な流れ

https://www.youtube.com/watch?v=DQi8s8AkDh8

 

今回は以上です。