歯の異常結節などまとめました。
歯の解剖は、必修領域です。細かいところ、とにかく暗記物になってしまうのですが、僕は何度かイラストを書いて覚えるようにしています。
色など塗りながらわかりやすく自分で描くことで、頭への定着力があがります。
必修なので、ちょっとやりすぎな感じですが、少し深めに掘ってます。
半調節性咬合器
半調節性咬合器で調整できるものは、何でしょうか?
矢状顆路角と平衡側の側方顆路角ですね。
さて、本当にベーシックな話なのですが、実際にどのように調整していくかイメージができますか?
今回はここのお話です。
輸液について、と、勉強の話
「生理食塩水だけ輸液しているとアシドーシスになってしまうんですよ」
今回の問題作成委員、麻酔科では輸液が好きな先生がいるそうです。
歯科なので、輸液、全く馴染みがなく、射程圏外なんですが、
昨今の歯科国試の医科領域への浸潤傾向を鑑みるに少し恐くもあり、
一度きちんと押さえておこうと、うちでもまとまった授業してくれました。
講義で輸液の体系的な話をしている途中にぼそっと、
「生理食塩水だけ輸液しているとアシドーシスになってしまうんですよ」
と説明が入ったんです。どういうことなのか、よく理解できず、
講義後に質問しにいくもはぐらかされ、、、しかも
教授「アシドーシス防ぐために一緒に、乳酸のリンゲル液とかいれるんだよ」
私「え?アシドーシスなのにさらに酸性の乳酸いれるんすか?何ですか?」
教授「うーん」
医科の人なら、余裕で心得ている話のはずですが、
恥ずかしながら全然わからずに、モヤモヤしていたところ、、、
下の記事を読んで合点が行きました。
http://ameblo.jp/fentanist/entry-11752378619.html
以下、要点をまとめていきますね。
生理食塩水には重炭酸イオン入ってないので、どんどん薄まっていく
生食を大量に投与すると、重炭酸イオン(HCO3-)が薄まってしまいます。
重炭酸イオン濃度が低下することになるので、代謝性アシドーシスです。
確かに、生理食塩水だけだと、生体内の電解質のバランス崩れて、重炭酸イオン薄まっていきますよね。
この状況を示すのに「希釈性アシドーシス」という言葉もあるようです。なるほど。
しかし、、、
これを防ぐために乳酸のリンゲル液を加える。
アシドーシスを治したいのに、酸性の液体をいれるの?なぜに?
ちなみに「リンゲル=生食+K+Ca」で、NaCl以外の主要な生体の電解質をいい濃度で含んでいるやつです。
乳酸リンゲルがどうしてアシドーシスから救うのか
乳酸リンゲルが、なぜアシドーシス防げるかというと、生体内(肝臓)で代謝されて、重炭酸イオンができるから。
すごく、かいつまむと、乳酸(C3H6O3)は代謝されて、CO2とH2Oになる。
生食が沢山いれられている状態だと、HCO3-が足りない状態なので、
CO2 + H2O ⇔ HCO3-+ H+
の平衡式で右向きへの反応がふえるので、重炭酸イオンがゲットできる。
ということみたいです。
本当は重炭酸イオンリンゲル作りたかったけど、昔は難しすぎた
僕としては、話し聞いた時には、
「生食で重炭酸イオン薄まるんだったら、最初から重炭酸イオンのリンゲルを生食と一緒にいれればいいじゃん」
って思ったんですが、なんで乳酸の代謝なんて使う回りくどいやり方するのか。。。
単純に、重炭酸イオンの水溶液、安定したものを作るのが難しかったみたいです。
確かにどんどん重炭酸イオンから、二酸化炭素でてきてしまって、安定しなさそうです。
ということでしかたなたく、乳酸リンゲルとか、酢酸リンゲルとか、
有機酸を投入して、重炭酸イオンを得るという回りくどいやり方をしていたみたいです。
世界初の重炭酸イオンリンゲルは日本製
「ビカーボン」なんか聞いたことある。
口腔外科の手術に入った時、輸液の名前、必死にメモした記憶がある。
これ日本で開発されたらしいですよ。
難しいとされていた、重炭酸イオンを含むリンゲル液の開発に成功したのは日本でした。
すごいですねー。
値段も高いらしく、まだ安い乳酸や酢酸のリンゲルもよく使われているようです。
自分の感じた「なぜ」を追いかけていくことが、勉強の本質
今回の話は、多分歯科の国家試験に出題されないと思います。
まー、国試前の勉強では、どうでも良い知識といいますか。
でも、こういう話、僕は大好きです。
論理というか、筋が通っていて、ピースがきちんとハマるようで、単純に気持ちいいです。
ああ、なるほど、だから、そうなっているんだと。
こういう順路で理解すると、暗記せずとも覚えてしまうというか、
自然と、身体に血肉化されていきますよね。
私は基本的には、これまでの勉強は上記のような姿勢でやってきています。
うまくまとめられているテキストをとにかく覚える、みたいなことは勉強じゃねー!とさえ思っています。
自然に、そこに提示されているお話を追っかけて、理解しようと、筋道を考えていったら、
それなりの知識は自然と覚えている状態になるはずです。
定着も深いものになります。
その日に「どれだけ勉強をしたか」は何で測れるか。
私はその日に、どれだけ勉強したかを測るのは、
解いた問題集のページ集でも、読んだ参考書の数でも、机に向かった時間でも、覚えた項目の数でもなく、
「自ら出てきた疑問」と「考え、調べ、見出した答え」がどれだけあったか、が、勉強の量を示すものだと思います。
その場で答えがでない場合もあるので、本質的にはやはり、
「なぜこうなんだろう?」という疑問の数が、
勉強がきちんとできている指標として妥当なものであると考えています。
受験の直前の勉強ではこのようなスタイルは、向いてないかもしれません。
受験は関係なしに、生涯続けていく「勉強」というものがあるのなら、
このような姿勢がすごく本質的というか重要な気がしています。
国家試験でフルにこのモードで回せないのが、不毛な感じが強いのも事実です。
ちなみに、今回はネット上の情報だけで終わらせてしまっていますが、
本業の領域であれば、やはり正書も読んで体系的な部分も、一度頭を通過させてくとよりよいと思います。
エナメルタンパク質のゴロ、覚え方
エナメルタンパク質のゴロ、覚え方
「飴なめろ、静かになめろ、たっぷりなめろ」
Streptococcusとα、β、γ溶血
Streptococcusとα、β、γ溶血についてまとめました。
リーマーとファイルの記号
リーマーとファイルの記号についてまとめました。
- リーマーは「ドリル」の「リ」! ドリルが回転するように突き進んでいく感じで覚えましょう。3つのうちで最も穿通性が高い、強力なやつです。リーマーは三角柱をねじって作られるので、記号は「△」です。臨床的には根管内の切削はより繊細に行いたいので、リーマーを使う人は減ってきていると思います。
- Hファイルは、Hなので「ピストン運動」ということで、上下運動する、というように覚えましょう。笑。あと、ピストン運動は穴に向かってするので、記号は「○」です。リーミング=回転運動すると、中折れするのでw、絶対にしてはいけません。根管内破折は恐ろしいです。挿入後はひたすらピストン運動で攻めましょう。
- Kファイルは、上の2つの融合したハイブリッドタイプな感じです。ピストン運動も、回転運動も大丈夫なように、後から開発されたんだと思います。記号は「□」です。
リーマー、ファイルの規格
今日はこの問題です。
98B-41
リーマー、ファイルのISO規格で正しいのはどれか。1つ選べ。a 40番のD1は0.40mmである
b 刃部の長さは番号で異なる。
c 刃部のテーパーは番号で異なる。
d 先端の角度は30度である。
e 45番の把柄部の色は黒である。正答 a
昔はよく出ていましたが、最近はあまりでなくなった、リーマーファイルの規格。でも出るとしたら必修とかで出そうで怖いです。しっかり復讐しておきましょう。
手根骨の順番
今回はこの問題です。
109C-20手のX線写真を別に示す。考えられる年齢はどれか。1つ選べ。
a 6ヶ月
b 1歳
c 3歳
d 6歳
e 9歳正答 c
109回、必修で出された問題です。きちんと脇を固めておかないと危ないですね。今回で手根骨マスターになりましょう。必修はやりすぎなぐらいがちょうどよいと思います。
成長ピークの曲線のまとめ
今日はこの問題です。
正答 c
例えば、この問題で、「種子骨」ではなく、「橈骨骨端の癒合はいつか?」と問われたらいつになると思いますか。
・
・
・
・
答えは eです。
このあたりは「必修」で激アツなパートです。十分すぎるぐらい準備して、きちんと覚えましょう。成長のピークはうまくまとめないと暗記の量が増えるの、私は以下のようにまとめています。
プロドラッグのまとめ
プロドラッグとは
投与された形では薬理効果を持たないが、肝臓の初回通過効果で一度代謝された後に活性型になり薬効を持つようになるものです。
プロドラッグというとロキソニン=胃腸障害防止!と短絡的に繋がりすぎて、つい他のものを忘れてしまいます。
ここで歯科医師国家試験出題基準にあるプロドラッグを目的別にまとめておきます。
目的がそれぞれ違うので、それをきちんとおさえておきましょう。
1|NSAIDs|胃腸障害を防ぐ目的
NSAIDsがpHの関係で、胃上皮内に留まり、COX-1(胃粘膜保護のPGE2の合成)を阻害するから。一度吸収されて、代謝された後に、薬効を示すように薬物に飾りを付けておく。
- ロキソプロフェンナトリウム
- アセメタシン(←インドメタシン)
- アンピロキシカム(←ピロキシカム)
- スリンタグ
- フェンブフェン
2|抗菌薬|腸管内で吸収しやすくする目的
水溶性が高すぎて、腸管で吸収されづらいので、疎水性にして吸収しやすくする。
特にβラクタム系は腎排泄が多く、むしろ膀胱の菌を殺すのにいいぐらい。
- バカンピシリン=疎水性(←アンピシリン=水溶性)
- アモキシシリン=疎水性(←アンピシリン=水溶性)
3|抗腫瘍薬作用時間の延長・持続化する目的
- 5-FUの半減期:10分
- テガフールの半減期:7.5時間
ちなみに5-FUはDNAの構成要素のウラシルの偽物です。ちょうどビタミンKの偽物がワルファリンで、それを使って、騙していたように、がん細胞がウラシルを使おうとするところに偽物の5-FUを出すことで、増殖を阻害するという目論見です。頭頸部のガンによく使われており、特に「テガフール+ギメラシル(5-FU代謝阻害)+オテラシル(副作用軽減)」の3剤混合した「TS-1」はよく臨床でも使われています。
4|パーキンソン病治療薬|特定の臓器で作用させる目的
- ドパミン:血液脳関門(BBB)を通過できない。
- レボドパ:血液脳関門(BBB)を通過できる。
脳内でレボドパからドパミンに代謝されて薬効を示す!
抗菌薬の種類|濃度依存性、時間依存性
今回はこの問題です。
105C-42
濃度依存性抗菌薬はどれか。2つ選べ。
a セフェム系
b カルバペネム系
c ニューキノロン系
d グリコペプチド系
e アミノグリコシド系正答 c, e
これは以下の図の様に考えるとすごくわかりやすいです。
「の」依存性=濃度依存性
なんてすばらしい覚え方なんでしょう。一瞬でこれの問題を解くことができるようになります。PK/PD理論は、AUCとかMICとかきちんとやっていくとわかるけど、結局覚えるしかないじゃん!みたいなところに行き着いてしまいました。割りきって簡単な覚え方を紹介しますね。
唾液の分泌
唾液の大きな物語
唾液の成分やら分泌量やら、いろいろ暗記系になってしまいますが、大きな原則を知っておくと記憶する量を減らせます。物語にすることで、流れで勝手にでてくるようになります。
その大原則とは、、、
「唾液を分泌するときに、味物質を沢山溶かせるよう、サラサラな液体になるよう、唾液内のイオンを調整している」
原唾液=等張性 → 唾液(低張性)
ということです。
わかりやすい歯科用レーザー
歯科用レーザー、わかりずらいですよね。今回はこの問題です。
106C-91
Er:YAGレーザーの特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。a 熱の影響が大きい。
b 組織深部に到達する。
c 固体レーザーである。
d 波長は可聴域にある。
e 水への吸収率が高い。正答 c,e
Er:YAGはエルビウムヤグと呼びますが、まったく馴染みがなく、なかなかイメージをもてません。他にもCO2レーザーや半導体レーザー、アルゴンガスレーザーなど、いろんな種類がでてきて、それぞれを大づかみに理解するのが難しい感じになっています。以下のように考えるとわかりやすいと思います。
接着性ブリッジと歯周組織
今回はこの問題です。
109A-100
製作した補綴装置の写真を別に示す。
前装冠ブリッジと比較した本装置の利点はどれか。2つ選べa 審美性に優れる
b 適用範囲が広い
c 歯質削除料が少ない
d 動揺した支台歯に適する
e 歯周組織への影響が少ない。正答 c,e
接着性ブリッジに関する問題が最近の国家試験ですごく増えています。舌側にしか形成しないので、審美性がよい!に引っかかって、間違ってしまいました。たしかに、接合部分、金属が見えていて、それほど審美性がよいとは言えません。
審美性以上に、接着性ブリッジは歯周組織への悪影響が少ないことが利点としてあげられます。でも、接着性ブリッジと歯周組織はどんなふうにつながっているか説明できるでしょうか。
ターミナルプレーン、近心階段と遠心階段の覚え方
今回はターミナルプレーン、近心階段と遠心階段の覚え方です。
ターミナルプレーンは、簡単に言うと、
第二乳臼歯=Eの遠心面が上下、どっちにずれているか、ということです。
その後、6番の萌出の誘導に大きく関わるので、小児の口腔内の重要な所見です。
いつも、近心階段と遠心階段、どっちがどっちか忘れてしましますが、この絵がわかりやすいと思います。
本物の階段を想像することで、こんがらがることがなくなりました。
下顎頭骨折の治り方
今回はこの問題です。
106A-91
両側関節突起骨折において保存療法と比較した外科療法の特徴はどれか。2つ選べ。a 関節痛が改善する
b 感染リスクが低い
c 顎間固定期間が短い
d 偏位骨片を整復できる
e 開口訓練の必要がない正答 c, d
関節突起骨折の治療法には2種類あります。
1.保存療法(顎間固定)
2.外科療法(観血的整復固定術)
関節突起の根本の方で折れている、下顎頚部骨折であれば、2.外科療法をすることがありますが、関節突起の頭の方(下顎頭骨折)であれば、ほぼ確実に1.保存療法が選択されます。
また、どちらも、最後に、開口訓練は必要です。
口唇裂口蓋裂について
口唇裂口蓋裂の発生頻度
1/500(0.2%)
性差
- 唇裂(男1:女1)
- 口蓋裂(男2:女3)
- 唇顎口蓋裂(男3:女2)
治療と手術の時期
0才〜 Hotz床
0.5才 口唇形成術(三角弁法など)
1.5才 口蓋形成術(Push Back法など)
9才 犬歯部への骨移植
18才 顎矯正手術(SSRO、LeFort1型など)
ART(非侵襲的歯科治療)
ARTに関して、最近かなり注目されています。今回はこの問題です。
教科書にも記述がすくなく、WEBも情報が散漫。
大学の先生などにも伺いながら知識をまとめました。
109C-126
非侵襲的修復技法〈ART〉で正しいのはどれか。2つ選べ。
a 局所麻酔による除痛
b Er:YAGレーザーによる齲窩開拡
c 手用切削器具の使用
d 齲蝕象牙質第一層の残置
e コンポジットレジンによる修復
正答 c d
歯科理工|接着性モノマー、S含有モノマーの覚え方、ゴロ
接着性モノマー|リン酸系
「全部、P=リン酸がついています」
- MDP(パナビアbyクラレ、アロイプライマー)
- phenyl-P(クリアフィルボンドbyクラレ)
MDPは最強の接着性モノマーです。
酸性モノマーなので、セルフエッチング効果もありますし、
ジルコニアの接着にはMDPを使用します。
他にも、チタン、非貴金属など、あらゆる材料の接着に有効な万能の接着性モノマーです。
接着性モノマー|カルボン酸系
「接客中、マックで友達に会えた。ポイント貯めた。」
- MAC-10(トクソーライトボンド)
- 4-AETA
- 4-META(4-META/TBB/MMA系=スーパーボンドbyサンメディカル)
貴金属用プライマー(S=イオウがある)
「硫黄臭いババアを待つ、6時まで。でも10時までだった!」
- 硫黄:硫黄含有貴金属プライマー
- ばばあ:VBATDT
- 待つ6時まで:MTU-6
- 10時までだった:10-MDDT
(ババアは温泉にいってたんでしょうねー)
ちなみに、過去問の選択肢によく出てくる、「スズ電析」ですが、
これは、スズのメッキ加工をすることで、メタルプライマーと同じ効果を期待します。
便利なメタルプライマーが発明される前の古い貴金属の表面処理です。
「スズ電析」は貴金属を非貴金属化(卑金属化)する!
細胞への微生物の「侵入性」と「寄生性」
1.細胞非侵入性細菌
- コレラ
- ジフテリア
2.細胞侵入性細菌=主に消化管上皮に侵入
「赤いヘリで侵入し、赤いヘリで去る」
3.とは違い、血中には入らず、局所にとどまる。
- 赤痢菌
- ヘリコバクター・ピロリ
- サルモネラ
3.通性細胞内寄生性細菌=マクロファージに寄生
「細胞内に入れるかは、リレーで決着」
この分類の「細胞」とは、「マクロファージ」のこと。
マクロファージに寄生し、2.とは違って、血中に入り、全身に広がる
- リステリア
- レジオネラ
- 結核菌
- チフス
4.偏性細胞内寄生性微生物の覚え方、ゴロ
「寄生して、リッチな暮らし、羨ましい」
- リケッチア
- クラミジア
- ウィルス
- らい菌
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