プロドラッグのまとめ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

プロドラッグとは
投与された形では薬理効果を持たないが、肝臓の初回通過効果で一度代謝された後に活性型になり薬効を持つようになるものです。
プロドラッグというとロキソニン=胃腸障害防止!と短絡的に繋がりすぎて、つい他のものを忘れてしまいます。
ここで歯科医師国家試験出題基準にあるプロドラッグを目的別にまとめておきます。
目的がそれぞれ違うので、それをきちんとおさえておきましょう。

1|NSAIDs|胃腸障害を防ぐ目的

NSAIDsがpHの関係で、胃上皮内に留まり、COX-1(胃粘膜保護のPGE2の合成)を阻害するから。一度吸収されて、代謝された後に、薬効を示すように薬物に飾りを付けておく。

  • ロキソプロフェンナトリウム
  • アセメタシン(←インドメタシン)
  • アンピロキシカム(←ピロキシカム)
  • スリンタグ
  • フェンブフェン

 

2|抗菌薬|腸管内で吸収しやすくする目的

水溶性が高すぎて、腸管で吸収されづらいので、疎水性にして吸収しやすくする。
特にβラクタム系は腎排泄が多く、むしろ膀胱の菌を殺すのにいいぐらい。

  • バカンピシリン=疎水性(←アンピシリン=水溶性)
  • アモキシシリン=疎水性(←アンピシリン=水溶性)

 

3|抗腫瘍薬作用時間の延長・持続化する目的

  • 5-FUの半減期:10分
  • テガフールの半減期:7.5時間

ちなみに5-FUはDNAの構成要素のウラシルの偽物です。ちょうどビタミンKの偽物がワルファリンで、それを使って、騙していたように、がん細胞がウラシルを使おうとするところに偽物の5-FUを出すことで、増殖を阻害するという目論見です。頭頸部のガンによく使われており、特に「テガフールギメラシル(5-FU代謝阻害)+オテラシル(副作用軽減)」の3剤混合した「TS-1」はよく臨床でも使われています。

4|パーキンソン病治療薬|特定の臓器で作用させる目的

  • ドパミン:血液脳関門(BBB)を通過できない。
  • レボドパ:血液脳関門(BBB)を通過できる。

脳内でレボドパからドパミンに代謝されて薬効を示す!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*