2016年 6月 の投稿一覧

ART(非侵襲的歯科治療)

ARTに関して、最近かなり注目されています。今回はこの問題です。
教科書にも記述がすくなく、WEBも情報が散漫。
大学の先生などにも伺いながら知識をまとめました。

 

109C-126

非侵襲的修復技法〈ART〉で正しいのはどれか。2つ選べ。
a  局所麻酔による除痛
b  Er:YAGレーザーによる齲窩開拡
c  手用切削器具の使用
d  齲蝕象牙質第一層の残置
e  コンポジットレジンによる修復

 

正答 c d

 

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歯科理工|接着性モノマー、S含有モノマーの覚え方、ゴロ

接着性モノマー|リン酸系
「全部、P=リン酸がついています」

  • MDP(パナビアbyクラレ、アロイプライマー)
  • phenyl-P(クリアフィルボンドbyクラレ)

MDPは最強の接着性モノマーです。
酸性モノマーなので、セルフエッチング効果もありますし、
ジルコニアの接着にはMDPを使用します。
他にも、チタン、非貴金属など、あらゆる材料の接着に有効な万能の接着性モノマーです。

 

接着性モノマー|カルボン酸系
「接客中、マックで友達に会えた。ポイント貯めた。」

  • MAC-10(トクソーライトボンド)
  • 4-AETA
  • 4-META(4-META/TBB/MMA系=スーパーボンドbyサンメディカル)

 

貴金属用プライマー(S=イオウがある)
「硫黄臭いババアを待つ、6時まで。でも10時までだった!」

  • 硫黄:硫黄含有貴金属プライマー
  • ばばあVBATDT
  • 待つ6時まで:MTU-6
  • 10時までだった10-MDDT

 

(ババアは温泉にいってたんでしょうねー)

ちなみに、過去問の選択肢によく出てくる、「スズ電析」ですが、
これは、スズのメッキ加工をすることで、メタルプライマーと同じ効果を期待します。
便利なメタルプライマーが発明される前の古い貴金属の表面処理です。
「スズ電析」は貴金属を非貴金属化(卑金属化)する!

細胞への微生物の「侵入性」と「寄生性」

 

1.細胞非侵入性細菌

  • コレラ
  • ジフテリア

 

2.細胞侵入性細菌=主に消化管上皮に侵入
「赤いヘリで侵入し、赤いヘリで去る」

3.とは違い、血中には入らず、局所にとどまる。

  • 赤痢菌
  • ヘリコバクター・ピロリ
  • サルモネラ

3.通性細胞内寄生性細菌=マクロファージに寄生
「細胞内に入れるかは、リレーで決着」

この分類の「細胞」とは、「マクロファージ」のこと。
マクロファージに寄生し、2.とは違って、血中に入り、全身に広がる

  • リステリア
  • レジオネラ
  • 結核菌
  • チフス

4.偏性細胞内寄生性微生物の覚え方、ゴロ
「寄生して、リッチな暮らし、羨ましい」

  • リケッチア
  • クラミジア
  • ウィルス
  • らい菌

笑気と静脈内鎮静法の禁忌、ゴロ

 

笑気の禁忌
「前期の中間、範囲は鼻下点(笑)」

  • 喘息(舌鼓沈下ではなく、気道収縮!)【←笑気による刺激誘発性から禁忌】
  • 気胸【←閉鎖腔から禁忌】
  • 中耳炎【←閉鎖腔から禁忌】
  • 鼻閉
  • 過換気症候群【←笑気による刺激誘発性から禁忌】
  • てんかん【←笑気による刺激誘発性から禁忌】

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MCV(平均赤血球容積)

MCVは小球性貧血か大球性貧血かを見分けれる値です。

MCV=ヘマトクリット/赤血球数(10^6mm/dl) ×10

で計算できます。

正常値はだいたい、

ヘマトクリット50%
赤血球数:500万(5×10^6)

なので、

正常MCV=100

になります。
(正常値はMCV=80〜100fL)

小球性貧血の場合

鉄が欠乏すると赤血球が小さくなります。
そうするとヘマトクリット値が小さくなり、
MCVが80以下になります。

巨赤芽球性貧血の場合

また、巨赤芽球性貧血になると、
ヘマトクリットは大きくなりますが、
赤血球数が小さくなるので、
MCVが100以上になります。

MCV=ヘマトクリット/赤血球数
「ヘマして、赤っ恥」と覚えましょう。

「普通石けんと逆性石けん」は「シャンプーとリンス」の関係

石けんには2種類ありますね、普通石けんと逆性石けんです。
後者は消毒剤として、歯科医師国家試験的にはきちんとどの微生物に有効なのか、粘膜に使えるのか、など記憶して置かなければなりません。

ただ、覚えるのではなく、それぞれどんな特徴を持ったものなのか、簡単に知っておくと記憶の定着が良いです。

「普通石けんと逆性石けん」は「シャンプーとリンス」の関係

普通石けん=陰イオン界面活性剤

一般的に石けんと言えば、油脂から作られた
界面活性剤(主に脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウム)で
油汚れを落としたり、細菌の細胞膜を破壊したりする。
洗浄力が強い!けど殺菌力はすごく弱い。
シャンプーで洗うと、汚れが落ちるが、
髪の毛が陰イオンに帯電するので、ごわついたりする
そこで逆性石けん(リンス)を使うと、陽イオンにより、
中和できてサラサラになる。

逆性石けん=陽イオン界面活性剤

逆性石鹸は界面活性作用が低いため、洗浄力では劣るものの、強力な殺菌作用を持つ。
細菌表面は陰イオンにチャージしてるので、逆性石けん(陽イオン)がくっついて殺菌できる。
しかもその殺菌能力に持続性がある。
殺菌力は強力だが、洗浄力がないので、汚れを落とすことはできない。

 

覚えるべきこと

 

逆性石けん

塩化ベンゼトニウム
=ヂアミトール、ネオステリングリーン(粘膜OK

 

また、似たものとして、同レベルの消毒薬にクロルヘキシジンもありましたね。
こちらは粘膜使用がダメなので、きちんと違いを把握しておきましょう。
商品名と一緒に覚えておくと、実習でやっていたことと紐付けられ感覚的に理解できます。

グルコン酸クロルヘキシジン=CHX

=コンクール、マスキン(含嗽のみOK日本では粘膜NG、歯周ポケット消毒NG)

感染症の分類(1類〜5類)覚え方、ゴロ

感染症法

1類=えらくまともなペット

  • エボラ
  • ラッサ熱
  • クリミア・ゴンゴ出血熱
  • マールブルグ病
  • 痘瘡
  • 南米出血熱
  • ペスト

 

2類=じさぽけした鳥

  • ジフテリア
  • SARS
  • ポリオ(急性灰白髄炎)
  • 結核
  • 重症急性呼吸器症候群(SARS)/ 中東呼吸器症候群(MERS)
  • 鳥インフルエンザ

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多剤耐性菌の順番、歴史

多剤耐性菌の機序、よく聞かれますよね。
超有名なMRSA、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)をめぐる耐性獲得の歴史をおいます。

1.普通の黄色ブドウ球菌(ペニシリンを投与するとPBP(=細胞壁作るための酵素)が無効になり、細胞壁が作れない)

2.ペニシリン耐性 黄色ブドウ球菌(菌がペニシリナーゼを産生して、ペニシリンを分解。PBPで壁作れる)

3.メチシリン耐性 黄色ブドウ球菌|MRSA(PBP2’を産生して抗菌薬お手上げ。PBP2”で壁作れる)

4.バンコマイシン耐性 黄色ブドウ球菌(MRSAの特効薬だったバンコマイシンにも耐性菌ができてしまった!!)

現在は、4のバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌が局所的にでているだけですので、世界的に普及しておらずなんとかなっているらしいです。もし4が一般化した場合、人類はまた次に抗菌薬を見つけ出さなければなりません。そしてそれも濫用により、すぐ耐性菌ができてしまうでしょう。

  • 低世代の抗菌薬を使う(第三世代、第四世代セフェムとか、すぐ出すな!)
  • 狭いスペクトル(選択毒性の高い)抗菌薬を使う
  • 感受性試験の結果に基いて用いる。
  • 初回使用はまず3日。長くとも1週間以内にとどめる。

現実的には上記を完全に守るのは、難しいんですが、一応理想的な使い方は知っておく必要があります。

この他に有名な多剤耐性菌としては緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)がいます。
これは、薬物を菌体外に排出するトランスポーターをつくることで、抗菌薬に対する耐性をつけます

イオウ含有貴金属プライマーのゴロ

 

硫黄臭いババアを待つ、6時まで、10時までだった!

硫黄:硫黄含有貴金属プライマー
ばばあVBATDT
待つ6時まで:MTU-6
10時までだった10-MDDT

(ババアは温泉にいってたんでしょうねー)

内胚葉、中胚葉、外胚葉

発生はまず、内胚葉がベースになる。「人体は、パイプである」って、すごい面白い表現があって。考えると本当に、口から肛門まで、つまり消化から排泄までのパイプで中空なんです。パイプがいわゆる「内臓系」で、パイプの中は人体の「外」とされています。口から食物をいれて、消化し、エネルギーを得、その搾りかすを排泄する。原始的な生物の形態はそこからはじまります。パイプだけでは、食べ物が来るのをずっと待っているしかないので、ここでさらに次の段階があるわけです。
次に進化するのは、

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