ARTに関して、最近かなり注目されています。今回はこの問題です。
教科書にも記述がすくなく、WEBも情報が散漫。
大学の先生などにも伺いながら知識をまとめました。
109C-126
非侵襲的修復技法〈ART〉で正しいのはどれか。2つ選べ。
a 局所麻酔による除痛
b Er:YAGレーザーによる齲窩開拡
c 手用切削器具の使用
d 齲蝕象牙質第一層の残置
e コンポジットレジンによる修復
正答 c d
ART(非侵襲的歯科治療)
Atraumatic Restorative Treatment
- 近年話題の歯冠修復方法
- 発展途上国など電気が通ってない環境での緊急措置を想定
- エアタービン、光照射器を使わない(電気使えないから)
- 手用切削器具(エキスカベーターとか)でう蝕を削る
- う蝕象牙質が残ってる状態で高強度グラスアイオノマーセメント(GCフジⅨ等)で充填
- 感染象牙質しか削らないので、局所麻酔が必要ない。
- グラスアイオノマーは物性が良くなってきており、最近では、一級窩洞にも使用可能
- 費用が安いことがポイント
- あまりにも臨床成績がよいので、適応症が拡大している(・乳臼歯う触・高齢者の根面う蝕)
齲蝕象牙質第二層ではなく第一層を残すんですか?
確かに!そうですね。。。国家試験の問題文そのままなんですが、、、たぶん、露髄するくらいなら、う蝕を全部取らずとも一度グラスアイオノマーつめて様子をみてみる。ということなんだと思います。もちろんう蝕は全部とるのが目標で、あえて残す、ということはしないですが、歯髄が保存できる方法を全部削るより優先する、ということことかなーと思っています。ARTの状況って、極端にいうと「砂漠の真ん中でバックに少しの器具をつめて、う蝕治療するみたいな感じ」で、もちろんX線もとらずになので。
「第二層を残す」というのは、普通のう蝕治療になりますから、ARTの特徴、という聞き方では積極的に正答肢にはならないかもしれません。他のがなければ選ぶ、みたいな印象でしょうか。