参考書

暗記しない!解剖学の勉強の仕方

これから解剖学を学ぶ1,2年生にも、国家試験の勉強を本格的に始める5,6年生も解剖学は以下のものを準備してから勉強を開始しましょう。

解剖学は暗記しない!

国家試験で要点と生るのはやはり「頭頸部」です。細かく聞かれるので、かなり細かい知識が必要です。解剖は暗記の科目ではありません。骨の名前も孔の名前も神経の走行も、頭にイメージを描けるようになることが重要です。教科書や授業ノートとにらめっこしていてもだめです。リアルな3次元の実物に触れることが重要です。解剖実習は貴重な機会ですが、本当に少しの時間なので、擬似的にでもできるだけ3次元のモノに触れましょう。

スカルは絶対買うこと!

頭頸部の模型は、手元に必ず置いておきましょう。脳頭蓋底の孔だったり、神経の走行をみる時に最大限威力を発揮します。蝶形骨や口蓋骨など、教科書に乗っているアングルではわかりずらい骨とその構造物もスカルを手元に確認していくことで、暗記することなくイメージが頭のなかに描けるようになります。注意点としては、実物大のサイズのものを買うことです。1/2の小さいパズルタイプのものなどありますが、やはり細かい穴や構造物が省略されていて、歯がゆい感じがします。

もっともコスパがよいのは以下のものだと思います。数千円で、実物大の頭蓋骨の模型が買えるなんて、当初は驚きました。解剖の勉強の効率が飛躍的に良くなるのでおすすめです。

本気な人は以下のものがおすすめです。色分けされてて、かつ本当の骨と同じように分解できるようになっています。蝶形骨、口蓋骨、などは中に埋まっていて、写真でしかみれず上手くイメージもてません。この模型で実際に手に取るとかなりイメージが湧きやすく、理解が早いです。頭蓋骨23個のうち、舌骨を除いた全て=22個の骨が分解できる精度の高い頭蓋骨です。

iPadのこのアプリが神すぎる

iPadアプリで解剖の3Dをグリグリみることができるものはずっとありましたが、日本語表示ができるもので、使えるものはずっと存在しませんでした。やっと、この「ヒューマン・アナトミー・アトラス」が日本語表示対応で、かなり使いやすいです。神経だけ、血管だけ、骨だけ、という表示もできます。

何よりすごいのが、筋肉が収縮したときの関節や骨の動きを動画で見ることができる点です。これで数千円って、ほんと下手な解剖の本を買うよりもましです。。。なによりiPhoneでもiPadでも対応していますからね\(^o^)/1年に1回ぐらいセールですごく安くなるときあるので、それを狙ってみるのもよいかもしれません。

解剖ノートがすごい使える

教科書はこれできまり|ネッターの頭頸部版

解剖学の教科書についてはこちらの記事(http://www.kokushi.space/?p=10)でも何冊か紹介していますが、特に6年次で国家試験を見据えて勉強するときはこの教科書一冊で十分だと思います。かなり詳しく細かいところまで描ききってくれており、解説も適度にのっていてわかりやすいです。

YOUTUBEには結構攻めてる動画がある

YOUTUBEには海外の番組で、本物の人体解剖して解説しているものが公開されています。これTVでやるってすごいなーと思うんですが、、、文化の違いを味わいつつ。。。動画の右下にあるボタンで、英語字幕を出すこともできますし、優秀なグーグル翻訳による、日本語への同時翻訳→字幕表示!を出すこともできます。解剖用語の英語とかわからない人でも大枠正しい日本語にしてくれるので、是非ともおすすめです!頭頸部に深くスポットあてていないところが残念ですが、全身解剖ではかなり参考になると思います。

「切歯路傾角」にも右と左がある!!

まずはこの問題をどうぞ!

104B-50, 51
65歳の男性。上顎前歯部の審美障害を主訴として来院した。レジン前装冠によるブリッジを製作することとした。支台歯形成後の口腔内写真と技工中の咬合器の写真とを別に示す。

104B 5051 A

104B 5051 B

104B 5051 C

104B-50
咬合器調節で舌面形態に関わるのはどれか。すべて選べ。

a 右側方顆路角
b 左側方顆路角
c 右側方切歯路角
d 左側方切歯路角
e 矢状切歯路傾斜角

104B-51
適切なポンティック基底面形態はどれか。1つ選べ。
a 離底型
b 船底型
c 偏側型
d 鞍状型
e オベイト型

正答 

104B-50:a,d,e

104B-51:c

実際には104B-50は削除になった問題です。こちらは後でじっくり解説するとして、まずは、104B-51を。

104B-51

問題文で、「審美障害」とあるので、「e オベイト」に飛びついてしまいました。問題文に「レジン前装冠」という指定があるので、ここは、迷わずcにいかなければならないところです。1問目が難しいので冷静に解いていくのが大変です。

104B-50

この問題では「左上123のブリッジの舌側面形態は何で決定されるか?」と問われています。大前提として、側方運動時に

  1. 「顎関節の形」
  2. 「歯のガイド」

の2つが主に、影響を与えることを理解しなければなりません。まずは「1.顎関節の形」です。

顎関節の形によって、下顎頭の動き方が変わる

顎関節の形で決まってくる角度を「顆路角」と呼び、運動の方向によって名前がたくさんあり、かなりややこしいです。「顆路角」についてはこちらの記事(http://www.kokushi.space/?p=541)で詳しく説明していますので、ぜひ読んでみて下さい。

Bennett angle movement

上図のように、右に顎を動かそうとすると、左側=平衡側の下顎頭が沢山動きます右側=作業側はあまり動きません。このときの左側=平衡側の内側にスライドする角度を「ベネット角」=「側方顆路角」とよびます。ちなみに作業側の下顎等の動きを「ベネット運動」と呼びます。

「矢状顆路角」には「前方」と「側方=右と左」の2つがある!

左への側方の顎の運動で、下顎頭は上下にもスライドします。下顎頭が関節結節に誘導されて動きますからね。この時の下顎頭の下方にスライドする角度を「矢状側方顆路角」といいます。

Bennett angle movement 2

前方運動のときも同じように、下方にスライドしますが、この時の角度は「矢状(前方)顆路角」と呼びます。前に動くときと横に動く時では、下方へのスライドの角度に差があって、普通は側方に動かした方が前方運動時より下にさがります。この(側方運動の時のスライド角度)から(前方運動の時のスライド角度)を引いた角度を「フィッシャー角」と呼びます。矢状顆路角に2種類あるということが重要なポイントです。

顎を左に動かすと、、、

今回の問題の場合は、顎を左に動かしたときに、下顎の歯が、上顎の前歯ブリッジ(⊥123)と当たります。右に動かしたときは、上顎前歯ブリッジ(⊥123)に接触しません(平衡側なので)。よって、顎を左に動かした時に、関係するのは右側の顎関節の移動する角度です。つまり「a 右側方顆路角」です。

Incisal path angle

引き続き「2.歯のガイド」についても考えてみましょう。

「切歯路角」にも「先方」と「側方=右と左」の2つがある!

顎を左に動かした時、右側の顎関節でも運動が影響受けますが、もう一つ、歯どうしがスライドするので、その部分でも運動が影響を受けます。これを「歯のガイド=誘導」といいます。理想的な天然歯列では、左側に顎を動かすと、左側の下顎犬歯が上顎犬歯の舌側面をすべって、歯が離開していきます。これが「犬歯誘導」です。今回は義歯ではなくブリッジなので、フルバランスドオクルージョン(平衡側とかもガイドが発生する)ではなく、「犬歯のみの誘導」や「グループファンクション=作業側の複数歯のガイド」を目指します。

前方運動では、おもに切歯がガイドして、顎の運動を決めていきます。このときは前歯の舌側面の角度でスライドしていくので、この角度を「矢状切歯路角」と呼びます。

側方運動でも、切歯や犬歯にガイドされますが、この時、上図のように、「左側方運動」で左側=作業側の前歯でガイドされるときの切歯路角は「左側方切歯路角」といいます。顎の運動は左なのに、「顆路角」では「右側方顆路角」で、「切歯路角」では「左側方切歯路角」で逆になるんです。うーん、むずかしい!

ということで、問題に戻りますが、「左側方運動で影響があるのは?」という問いなので、

  1. 右側方顆路角
  2. 左側方切歯路角
  3. 矢状切歯路角

が正答になります。「顆路角」と「切歯路角」で左右が逆に生ることをしっかりとつかんでおきましょう。

Incisal path angle

今回は以上です。

おすすめのクラブリの教科書

冠橋義歯補綴学テキスト 會田雅啓 ★★★

教科書系ではこちらの本が、一番です。写真も多いですし、説明が、医歯薬出版のクラウン・ブリッジ補綴学よりも丁寧です。初めてクラウン・ブリッジを学ぶ人、苦手でよくわらないなーというひとはまずはこちらの本を読んでみてください。イメージ湧きやすく、おすすめです!この本を教科書に使っている大学もあります。

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↑冠橋義歯補綴学テキスト 永末書店 より

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↑冠橋義歯補綴学テキスト 永末書店 より

目で見る咬合の基礎知識 2002月刊歯科技工別冊 ★★★

この本もすごいです。咬合様式、犬歯誘導やグループファンクション、フルバランスドオクルージョン、リンがライズドオクルージョンなどかなりイラストでわかりやすく説明されています。咬合のややこしいところ、教科書で文章でしか説明されていない部分がことごとく大きな図やイラストで解説されています!技工士用の解説なので、専門的に深いところも優しい表現でわかりやすくかかれています。

クラウンブリッジの臨床原著第4版 ★★★★

補綴科の先生はみんなこの本をもっていますよね。アメリカの歯学部、いや英語で歯学を学んでいる学生が、必ず買っている教科書です。英語版はもう6版とかだいぶ進んでいるので、英語が読める人はそちらを買うほうがよいですが、まずは日本語で。高いですが、疑問に思うことなど片っ端から書いてあって、読むと解決すること多かったです。学生にはオーバースペックかな、と思いましたが、思い切って買ってしまいました。結果、基本的な部分の理解が深まって良かったと思います。このあたりの知識は、将来に渡ってつかっていく知識なので、先行投資と考えれば全然ありなんじゃないかと。

クラウンブリッジ補綴学  医歯薬出版社 ★★☆

国家試験のスタンダードといえば、王者、医歯薬出版株式会社のシリーズです。110〜112回を受けられる方は、クラブリの教科書、1つ古い第四版を購入していると思います。実はクラブリの教科書は2014年に第五版が新しく出版されています。

今回の改訂で結構、重要な改訂があったので、興味あるかたはこちらの記事もよんでみてください。http://www.kokushi.space/?p=1010

必ず目を通すべき!新しい版の教科書「クラブリ」

国家試験は医歯薬出版からでる

国家試験のスタンダードといえば、王者、医歯薬出版株式会社のシリーズです。110〜112回を受けられる方は、クラブリの教科書、1つ古い第四版を購入していると思います。実はクラブリの教科書は2014年に第五版が新しく出版されています。

今回の改訂で結構、重要な部分があって、読んでいて驚いたので、そこを少しだけご紹介します。前回の第三版→第四版の改訂のとき、新しく第四版に載った内容が国家試験に出題されて購入していない人たちが痛い目をみた、ということも聞いているので、やはり確実に合格射止めたい人はクラブリだけは最新版を購入することをオススメします。

今回紹介するのはほんの一部ですので、是非とも図書館や後輩に借りるか、自分で購入して、一通り自分の目でみることをオススメします。

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クラウンブリッジ補綴学 第五版 矢谷博文ほか 2014 医歯薬出版社 より

「ハイブリッド型コンポジットレジン」の接触点はレジン?金属?

上の図は、ハイブリッド型コンポジットレジン前装冠の隣接接触点についての説明図です。

  • レジン前装冠→接触点は金属
  • 陶材焼付鋳造冠→接触点は陶材

というのは常識ですが、では「ハイブリッド型レジン」はどうなるか?はご存知でしょうか?なんと陶材と同様に接触点はハイブリッド型レジンで覆うことになっています!

  • ハイブリッド型レジン前装冠→接触点はハイブリッド型レジン

シリカを80-90%ぐらいの勢いて含むハイブリッド型コンポジットレジンはかなり硬く、物性も陶材に近づけているということなんだと思います。こういうところスパッと出題されたら間違ってしまいそうで、恐ろしいです。王道中の王道の書籍にイラスト付きでこんなにもわかりやすく掲載されてしまっているので、出ても全然おかしくないです!やはり新しい教科書は買って、一通り自分の眼で通してみることは重要だと思います。勉強の合間とかふとした時にパラっとみれるのがよいですよね。

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クラウンブリッジ補綴学 第五版 矢谷博文ほか 2014 医歯薬出版社 より

3D、CAD/CAM関連は写真をきちんとチェックしておきたい

あとは最新の技術系ところ、CAD/CAM関連の写真は、必ず目を通しておいたほうがよいです。この部分は今回特に追加された資料や文章が多かったところです。例えば、上にある「光造形で制作された模型」など写真でぽんとだされて、次に行うのは?とかこの模型の性質は?とか聞かれたりするわけです。ただでさえ緊張しているところに知らない画像で頭真っ白になる可能性も十分にあるので、一度、王道の教科書に乗っている写真と文章は読んでおいたほうがよいですよね。

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クラウンブリッジ補綴学 第五版 矢谷博文ほか 2014 医歯薬出版社 より

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クラウンブリッジ補綴学 第五版 矢谷博文ほか 2014 医歯薬出版社 より

FGPテクニック

個人的に嬉しいのがFGPテクニックについてコラムで、コンパクトにまとまっていることです。たまに問題に出てくるFGPテクニック、調べてもでてこなくて、わからないまま過ごしていましたが、今回、かなりきちんと理解できました。FGPテクニックは英語でFunctionally Generated Pathテクニックといいますが、要は咬合調整時に中心咬合位だけでなく、偏心位の模型も作っておいて、それで精度高いワックスアップをするための方法です。きちんとコラムで解説してくれているので、是非こちらも読んでみて下さい。

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クラウンブリッジ補綴学 第五版 矢谷博文ほか 2014 医歯薬出版社 より

シェード関連の機材が多め

印象的だったのはシェードテイキング、色合わせのための写真や文章が結構追加されていたことでした。上のeye-specialのカメラなどは臨床実習などで見たことがある人多いのではないでしょうか?歯肉の赤色を消すだけで、あんなに歯の色の違いがみやすくなるなんてほんとすごいですよねー。あるいは、自然光でやるとされていたシェードテイキングにも専用の色温度で照らすことができる専用光源がでてきたりで。臨床実地問題は特に補綴系、ネタが枯渇している状態が続いているので、この辺の新しい機材からの出題というのは本当に確率高いと思います。少し見て、ちょっと読んで―「へ〜」って思うだけで全然違うと思いますので、一度は絶対みておきましょう!

今回紹介したのは本当に一部です。他にも、新しく保険導入されたCAD/CAM冠や、セラミック関連の記述もかなり豊富になっています。

特にクラブリのこの教科書は僕らがもっているはずの第四版からの変更点が大きかったように思います。是非とも手元で確認してみてください。

購入は以下のアイコンから飛ぶことができます。

その他、おすすめのクラブリの教科書

クラウンブリッジ補綴学  医歯薬出版社 ★★☆

国家試験のスタンダードといえば、王者、医歯薬出版株式会社のシリーズです。110〜112回を受けられる方は、クラブリの教科書、1つ古い第四版を購入していると思います。実はクラブリの教科書は2014年に第五版が新しく出版されています。

今回の改訂で結構、重要な改訂があったので、興味あるかたはこちらの記事もよんでみてください。http://www.kokushi.space/?p=1010

冠橋義歯補綴学テキスト 會田雅啓 ★★★

教科書系ではこちらの本が、一番です。写真も多いですし、説明が、医歯薬出版のクラウン・ブリッジ補綴学よりも丁寧です。初めてクラウン・ブリッジを学ぶ人、苦手でよくわらないなーというひとはまずはこちらの本を読んでみてください。イメージ湧きやすく、おすすめです!この本を教科書に使っている大学もあります。

目で見る咬合の基礎知識 2002月刊歯科技工別冊 ★★★

この本もすごいです。咬合様式、犬歯誘導やグループファンクション、フルバランスドオクルージョン、リンがライズドオクルージョンなどかなりイラストでわかりやすく説明されています。技工士用の解説なので、専門的に深いところも優しい表現でわかりやすくかかれています。

クラウンブリッジの臨床原著第4版 ★★★★★

補綴科の先生はみんなもっていますよね。アメリカの歯学部、いや英語で歯学を学んでいる学生がかならず買う教科書です。英語版はもう6版とかだいぶ進んでいるので、英語が読める人はそちらを買うほうがよいですが、まずは日本語で。高いですが、疑問に思うことなど片っ端から書いてあって、読むと解決すること多かったです。学生にはオーバースペックかな、と思いましたが、思い切って買ってしまいました。結果良かったと思います。将来に渡ってつかっていく知識なので、先行投資と考えれば全然ありなんじゃないかと。

病理学の勉強の仕方

病理像をたくさん見る。質より量。が重要

とにかく病理写真をたくさんみましょう。
質より量だと思います。
1枚の病理像をどれだけ詳しく説明できるようになっても、
問題では同じ写真はでません。
教科書は購入されていると思いますが、それでも病理像の写真すごく小さかったり、
複数の症例の病理像が載っていることはまれだと思います。
病理像アトラスが必要です。

とにかく、同じ疾患についてできるだけたくさんの量の病理像をみて、
なんとなくの感覚で、違いがつかめるようになることが重要です。

もちろん、需要な所見のキーワード、
棘融解だったり上皮真珠だったり、上皮の柵状配列だったり、リンパ球の帯状浸潤だったり、
必須のものはその病理像でどこがそれにあたるのかを把握しておく必要がありますが、
あまり深追いせず、とにかく手元にたくさんの写真に触れて、
できれば、定期的に見直せるように疾患ごとに写真をまとめておけるとベストです。

 

今回はどこでいい病理像が見れるのか、私のオススメのソースを
ウェブサイト、書籍など含めて書いていきます。

 

病理像がたくさん見れるオススメのサイト・本

 

著作権の関係で、大学の先生はそういった資料を配ってくれない大学も多いです。
自分で集める作業が必要になります。

時間ない人は、以下に紹介する本を2,3冊買ってしまいましょう。
Webはタダですが、見るのに少し時間がかかります。
やはり勉強に一番馴染むのはリアル書籍です。

iPadのPDFもWEBサイトもいいですが、目的のページまで時間がかかります。

2,3冊買うと良いというのは、
1つの疾患について、大体1冊の本で1-3症例ぐらいずつしかのっていないので、
もう少しバリエーション多くといいますが、たくさん像を見ておく必要があるからです。

 

僕は以下のものから疾患ごとに画像を切り貼りしてまとめて、
スクラップブック「病理像スペシャル」を作っています。

お金を節約したいのであれば、図書館でコピーをして作ってもいいかもしれません。
ただ、コピーはやはり少し画像が劣化して結構細かいニュアンスが掴めなくなるものもあります。

 

 

口腔病理基本画像アトラス ★★★★★

http://www2.dent.nihon-u.ac.jp/OralPathologyAtlas/Ver1/menu_maim.html

口腔病理学会がつくっている病理像を集めたサイトです。
かなり数もありますし、何より説明など、学会お墨付きなので、
ネット上の情報だけど安心して勉強できますよね。
腫瘍疾患だけでなく、かなり多くの疾患の病理像が大きな画像でみれます。

 

みて学ぶ口腔病理  ★★★★☆

http://www.usamimi.info/~ororz/top.htm

砂書房から出版されている小宮山先生の「みて学ぶ口腔病理」の付録のCD-ROMの内容が
ウェブ上で一般に公開されています!
重要疾患について典型像と端的な説明とでわかりやすい構成になっています。
もちろんこちらの書籍もおすすめです。

 

口腔病理アトラス 高木 實   ★★★★☆

口腔病理のアトラスといったらまずこの本と次の本、2冊は必須です。
画像が豊富で、解説も結構詳しく、かなり理解が進みます。

 

 

 

口腔病理カラーアトラス 武田 泰典   ★★★★☆

口腔病理のアトラス、こちらも名著です。
とにかく写真が豊富で、解説が適度にあり、非常にわかりやすいです。
本ごとに比較して読むことでさらに理解が深まります。

 

わかる病理組織像―歯科国試完全攻略    ★★★☆☆

とりあえず、初心者はこの本を買いましょう。典型中の典型の画像が載っています。
国家試験ベースなのでコンパクトに無駄がありません。
ただ発売されたのが少し前で、今の国家試験には簡単すぎるような感じになっているようです。

とりあえず、わかりやすい本を!という方におすすめです。

 

カラーアトラス EBMに基づいた口腔病理診断学   ★★★☆☆

こちらは、クイズ形式になっているといいますか、
診断名は伏せてある状態で、所見や口腔内写真、病理像だけから自分で診断をつけさせ、
ページをめくると正解と解説、その他、鑑別疾患など書いてある構成になっています。
少し力がついてきたことに力試しに読んでみるとよいでしょう。
わかってくると、楽しいです。ただ全問正解は、難しいですよ OTL

 

 

おまけ

病理像ではないんですが、病理像の見方をイラストでわかりやすく解説した本が存在します。
以下の2冊オススメの本がありますが、どちらも絶版です。
中古しかないので、超貴重です。
無くなる前に買えた人はラッキーです。
授業で先生が図を黒板に書いて説明してくれる感じで、初心者にはすんごいわかりやすいです。

 

イラストとマンガで見る口腔外科病理診断のポイント 石田 武  ★★★★★

 

話し言葉で、師匠と弟子との質問形式でマンガのように進んでいきます。
疾患も数を絞って、腫瘍疾患のみで、大枠の理解を得るのに非常に良いです。
すべての大学の先生はこれをそのまま授業で黒板に書いて解説したらいいなじゃないかな―と思うぐらい。
こんな感じです。

 

 

図解病理学・口腔病理学実習書 石木 哲夫, 山本 肇  ★★★★☆

こちらは実習書と銘打っているので、非常に多くの疾患がイラストで書かれており、
各病理組織像の特徴が掴みやすいようになっています。
辞書的にも使えますし、ほんとイラストがきれいなので、感動します。
この口腔病理学というニッチな領域の本なのに、このクオリティ。
どれだけ時間かかったんだろう、、、と思うと、質とコストが絶対あわない。
本当奇跡のような本です。
この本が絶版だなんて、本当に残念です。

 

 

日本人と韓国人と中国人の違いを見分ける、ような

たくさん病理像をみてくると、なんとなくその疾患がこいつっぽいな、っていうのがわかってくるようになります。
これはちょうど、外国に行って、見かけたアジア人が
日本人なのか、韓国人なのか、中国人なのか見分けれるようになるのと似ています。
ある日、イギリス人の友達と話していた時に、あることが判明しました。

  • 彼はアジア人が何人か見分けられず、私は大体わかる。
  • 私は、白人が何人か見分けられず、彼は大体わかる。

ということでした。
この違いから、やはり日頃からどれだけみているか、その上で、違いが感覚的にわかる。
ということがこの学習プロセスの本態なのではないかと思いました。
アジア人だとファッションのスタイル、髪型、だったり女の子の化粧の仕方、でなんとなくわかります。

3年のときに、病理がわからなすぎて凹んでいた時に、とりあえず、
図書館にある5,6冊の病理像を疾患ごとにひたすらたくさん見ていきました。
そして、なんとなく、違いや雰囲気がわかるようになってきたとき、
この人種を見分ける感覚とすごく似ていることに気づきました。

今回は以上です。

選定療養とは?、と参考書の話

今回はこの問題です。

国民医療費に含まれるのはどれか。1つ選べ。

a 定期検診
b 訪問診療
c 選定療養
d 予防接種
e 居宅療法管理指導

正答 b

 

答えは bです。正解する人が多いと思います。
ただ、国家試験の勉強の鉄則「他の選択肢についてすべて説明できるか」というのを確認していきましょう。

 

病気じゃないのは国民医療費に含まれない。

a 定期検診
d 予防接種

上の選択肢2つ、いずれも病気ではないので、医療保険に含まれません。
医療保険は病気の人のために使われるものです。
上記は基本的には健康な人が受けます。

でも、実際に健康診断に私たちはお金を払っていません。
市や県や税金で別途払ってくれています。だからタダで受けれたりするのです。
医療保険で集めたお金からは出していませんよ、ということで、
国民医療費には含まれないのです。

居宅療養管理指導は重要

eの居宅療養管理指導は介護保険で支払われます。
歯科医が訪問診療して、義歯の調整をしたとして、全く同じ作業でも、
その患者さんのいる場所などの条件によって、
「医療保険」として請求するのか、「介護保険」として請求するのか変わってきます。
特別養護老人ホームとかで義歯調整すれば、介護保険として請求しますが、
介護保険受けていない、比較的元気な老人の家で義歯調整すれば、医療保険として請求出さなければいけません。

 

選定療養?なんだっけ…

私は、最初にこの問題解いた時に「選定療養」がうまくイメージできませんでした。
どこかで聞いたことあるんだけど、それがどんなものかうまくヒトに説明できる状態ではありませんでした。
こういう項目を1つずつ理解して、なくしていくことが勉強の鉄則です。
そしてこれをなるだけ効率的に行うための方法を洗練しておく必要があります。

 

調べる方法はたくさんある。

  • 過去問集の解説を読む
  • ウェブで検索
  • 教科書を読む
  • 参考書を読む
  • 友達にきく
  • 先生に聞きに行く

 

調べる方法は、たくさんあると思います。簡単に上げただけでも上にあげたものがあります。
選定療法、調べましたが、僕は過去問集でもなんとなくもやっとしかわからず、
ウェブも時間がかかった割によくわからず、
教科書も堅苦しく書いてあってよくイメージつかめませんでした。
結局、参考書をひらいて、この説明を読んで一発で理解できました。

公衆衛生がみえる2016-2017 医療情報科学研究所 (編集) より抜粋

このイラストわかりやすいですよね。イラストと一緒に載っている説明文もわかりやすかったです。
選定療養は、簡単に言うと、
禁止されている「混合診療(保険治療と自費治療を一緒にやること)」を例外的に公式に認める制度です。
歯科でいえば、「金属床義歯」は「前歯部のセラミック」などが選定療法に入っています。
本当なら、混合診療がダメなので、金属床義歯つくるときは、
印象とるのや、個人トレー作るのも全部、自費で10割払わなければいけないんですが、
選定療養を使うと、保険の部分は、3割負担で良くて、
最後の金属床の材料費と技工分だけ上乗せで支払う形でいいですよ、という風になります。
これで高度な医療が受けやすくなりますよね。
なぜ、そもそも混合診療がだめなのか、という疑問も生まれてきます。
これはまた複雑なテーマですので、別の機会に解説しようと思います。
でもとにかく、現在のルールでは、医科も歯科も医療保険を使う以上、基本的には、医療保険で認められている方法でしか治療してはいけない決まりになっています。

 

その他の選定療法の項目

  • 時間外診療の上乗せ分
  • 大病院での未紹介患者の初診、上乗せ分
  • 180日を超える入院
  • 前歯部の材料差額(セラミックとか使える)
  • 小児う蝕治療後の継続管理

 

他には「評価療養」もある

そして、「選定療養」とならんで「評価療養」というのもあります。
「評価療養」というのは、簡単に言うと、
「今、先進医療でまた保険に追加できないけど、将来保険に導入できるかどうか」を
評価するための項目です。見込みのある先進医療のお試し期間みたいな。
先進医療にも、エセ科学的な効果ないものとか、
かなり有力だけどまだコストかかりすぎたり症例少なくて、わかんないものまで
様々にありますよね。
そのうち有力な先進医療を、将来、保険に加えるかどうか評価するために
自費ですが、混合診療でもって受けやすくしているものがそれにあたります。
これで成果がでる、とエビデンスが証明されれば、
晴れて、その治療法は保険診療で使用してよい治療法になります。

この「選定療養」「評価療養」の2つが、混合診療の壁を公式に超えさえてくれる、
国の助け舟になります。
「保険外併用療養費」という制度の名前が付けれられています。

 

参考書は効率が良い

ネットで検索しても、上記のような理解には達せれると思います。
ただネットではその検索する母集団が大きすぎて、いらない情報が沢山ひっかかります。
厚労省が出してる理解が難しい硬すぎる文章だったり、
一般のヒトが勝手に間違っていること書いてある文章だったり、
玉石混交で、選別に時間がかかるのと、探すのに時間がかかって、
効率が悪いです。
その都度、先生に聞きにいければそれが一番よいですが、
それも時間がかかります。
また、実践やニューテキの解説はかなり局所的な説明というか、
その前後の話やその背景の全体的な話が載っていません。
そして何より写真やイラストが少ないです。
わかいりやすいビジュアルのイメージは理解と知識の定着の上では非常に重要な要素です。

わからないときに、ぱっと開いてきちんと説明してもらえる本を
手元においておけることが時間の短縮=勉強の効率化に繋がります。
今回は、この1つの事柄だけですが、
これから勉強する上ででてくるわからない言葉、現象に対して
毎回、時間かかり効率悪くなると、それでどれだけの差がつくか簡単に想像できると思います。

 

お金で解決しましょう。

いま、知識が足りない、そして時間がない、そして、それほど頭が良くない。
こういう状況では、とりあえず目の前のこと一生懸命やるしか無いのですが、
ただがむしゃらに、実践とニューテキだけでやってても、
ライバルには負ける可能性が高くなると思います。
僕は、教科書をガシガシ読める頭を持っていないので、わかりやすい本を常に探し求めてきました。

乾燥機付きの洗濯機あったら、家事の効率があがって、
文明の利器が無い時よりも、暇な時間が増えるじゃないですか?
それで余暇を持て余しているが現代人というものです。
それと一緒で、国家試験的には、知識と時間は、お金で買えるんです。
もちろん、国立大学で超頭いい人たちは、わかりずらい教科書もガンガン読み進められて、
自分で頭のなかに正しいイメージを作っていくことができるでしょう。
もし、そうでない場合、お金で追いつくことも試してみるのも全然ありな話です。
だって、落ちてしまったら、予備校代200万かかるんですよ?
50万ぐらい参考書買いまくって、効率上げて受かるんだったら安くないですか?
図書館で参考書開きまくる、とか一度試してみるのも価値があるかもしれません。

 

参考書は全部読まなくていい

私は多分、数十冊ぐらいは、参考書かってますが、
結構読むものでも本の3割ぐらいしか読んでいません。
全部、最初から最後まで読んだものは数冊ぐらいでしょうか。
おそらくほとんどは、1割も読んでいません。
でも全然いいんです。
ある項目について、わかりやすい写真1枚、イラスト1枚がみられたら、
それで数千円ぶんの価値があったなーと思います。
それで知識になってくれるんだったら、全然安いと考えます。
だってそうですよね、国試に受かるための知識が素早く手に入るわけです。
しかもその知識は一生、歯科医として使っていけるものです。
ある先生は「1行でも読みたい箇所があったらその本を買うべきだ」といっていました。
確かにそうだなーと、それを聞いた時、強く頷いてしまいました。

良質な参考書あると、「あれなんだっけ?」というときに、
最速で、最良のわかりやすい説明を手に入れることができます。

実践の解説だけではダメなんです。
予備校の過去問用参考書は、「局所的で点的な知識」の形であるのに対して、
教科書や一般の参考書は「線的で、有機的な知識の複合体」として理解が深まります。
定着も深くなりますし、読んでいる間に重要なその周辺知識も頭に触れさせることになります。
国家試験、そういう部分が出題されるじゃないですか?
ヤマ中のヤマ、といわれる一軍知識の脇に控える二軍みたいな、ちょっと重要な項目。
本を開くということはそういう情報を強制的に浴びせられるということになります。
そういうところで差がつくと思います。
それでも、端から端まで読む必要はないんです。

 

衛生学お薦めの2冊

おそらく、衛生学、社会歯科関連でいうと皆さんは
医歯薬出版の「衛生学・公衆衛生学」「新予防歯科学」は持っていると思います。
読んでいてもわかりずらいと、個人的には感じました。
わかるところはわかりますが、説明下手なところは何言ってるかさっぱり頭に入ってきません。
そんな僕が、効率的にまとめているお薦めの2冊を紹介します。

 


一冊目は、医師国家試験用の衛生学の参考書です。
この「見える」シリーズは、医科系の科目ほとんど全部出されていて、
医学部生ならほとんどの人がお世話になっている人気シリーズです。
購入する人も多いので、それだけ予算が付いているのかわかりませんが、質が高いです。
特に、イラストやまとめがわかりやすいです。
歯科系の内容は確かにあまりないですが、
衛生学、社会歯科学の殆どは医科と共通しているので、かなりためになります。

 


DESの参考書なんですが、こちらもおすすめです。
辞書的につかえます。
歯科医師法ってどんなんだっけ?医療法って?というときにコンパクトにまとめてくれています。
過去にでたところの列挙ではなく、
予備校参考書にはめずらしく周辺のものも割と載っているので、結構重宝します。
これ読んで大きな理解を得た後に、詳細のわからないところを教科書読む流れが多いです。

 

ちょっと話がズレ過ぎてしまいました、、、今回は以上です。

 

おすすめの参考書・基礎科目篇

お薦めの参考書を紹介していきます。今回は基礎科目篇。

私の場合、勉強の要は「わかりやすい本と出会うこと」です
決して頭が良い方ではないので、
勉強の最初の段階で難しい説明と出会うとギブアップしていまいます。
大学から買わされた教科書の半分ぐらいは表現が難しかったり
回りくどかったりで、あまり使えず、他の資料で勉強してきました。
記憶に残るのはやはり「絵」や「図」のイメージです。
どれだけわかりやすい「イメージ」に出会えるかが、
勝負だと思います。
一度イメージがつかめれば、その領域に関しては割とどの本でも
読めるようになると思います。
「細部」ではなく、「大づかみな」理解をすることが大きなポイントだと思います。
多くの本は細部の説明は詳しく書かれていますが、
大づかみな理解に関しては、あまり記されていないように感じます。
それらは、講義で話されるか、細部パーツから自分で組み立てていく必要があります。
つまり、最初の「これはこういうことなんだ」という「つかみ」を
得るために、「絵」や「図」のイメージが大きな仕事をしてくれます。
わかりやすい絵とであるために、これまで多くの本にあたってきました。
学生のブログをあたり、amazonの評価を読み、図書館になければ、他大学の図書館へいき、どうしてもないものは購入し、、、
使用した中で、役に立ったおすすめの参考書をまとめていきたいと思います。
まずは基礎教科から…

【解剖学】

解剖は、本が3種類必要だと思います。
A_シンプルなイラストで人体が表現された本
B_線画レベルで授業の板書のように解説してくれる本
C_人体解剖の実際写真のアトラス
表現の仕方の違いですが、いずれも実際のものから機能を理解する上で、
重要な3通りの表現だと思います。

1.グレイ解剖学 ★★★

医学部の学生プログでも軒並み評価が高い本です。色使いとイラストの簡略さが、秀逸で、どの筋がどの骨にどのようについているか、神経がどのように通っているか、など、かなり頭の中のイメージが描きやすくなります。
特に歯学部生に必須の鼻腔〜口腔〜咽喉頭部の表現がすごいわかりやすいです。ここだけでも図書館でコピーしておきましょう。
好みで、グレイ派、ネッター派、プロメテウス派に分かれますが、僕は断然グレイ派です。
しかも、現在!第3版では本を買うと無料でiPadやスマホでみれる電子書籍もついてきます。検索して一発でそのページに飛べるんです、ほんとにおあすすめです!!

2.プロメテウス、口腔・頭頸部編 ★★☆

 

よりイラストが写実的になって、実際の見え方に近いです。

グレイのような割り切りの良さは少し控えめですが、頭頸部に特化して編集されていますので、

通常載ってないようなアングルや細部の絵がみれます。あの部分ってどうなってるんだろう、って気になった時にはこれ開けばだいたい載ってて助けられました。

特に頭頸部や口腔領域に特化したものなので、医科はもちろん、歯科の勉強に最適化されています。歯科だと、頭頸部の血管や神経、筋肉、骨とちょっとマニアックなところが問われることがありますが、そこら辺も安心してカバーしてくれているすぐれものです。

 

3.イラスト解剖学 ★★★

分類で言うとBの授業の板書のようなイラストです。
名著中の名著。かなりわかりやすいです。
明快な説明とシンプルなイラストで、頭の中が一気に整理されます。
歯学部生にとっては詳しすぎるぐらい詳しいですが、
見ておいて損はないです。
パラパラみるだけでも「へーなるほどね」って何度も附に落ちます。
頭頸部は少し足りない部分もあるかもです。

4.臨床家のための口腔顎顔面解剖アトラス ★★☆

分類で言うとCの写真アトラスです。口腔領域中心の歯科のための解剖アトラスです。全身のアトラスももちろん実習試験のときなどは勉強していたのですが、CBT、国試となると、頭頸部のマニアになる必要があります。この本は、解剖はもちろん、その場所にかかわる臨床的な事柄も解説されていて、沢山のアングル違い、拡大率違い、層違いの写真が掲載されています。手術で傷つけそうな神経、有床義歯的なランドマークなど模式図でしかみたことない部分を実際の人体写真でみれます。結構多く、写真も大きい。貴重な本だと思います。

 

 

5.人体を3DのCGでグリグリ動かして見れるウェブサイト  ★★★

https://human.biodigital.com
すべて名称が英語なのが使いづらいですが、
タダでここまでみれるのは非常に助かります。
特に最初の頃は「蝶形骨って何?」みたいにイメージもちにくい
内側の部分にあるものなど、骨、筋肉を1つずつ消したり表示しながら、
好きな角度でみれるので、場合によっては
実際の人体解剖よりも構造が把握しやすい部分もあります。
日本語版で早くどこかが始めて欲しい。。。
データとしては重いので、パソコンで見るのが良いでしょう。

【組織学】

1.ROSS組織学 ★★☆

対象が全身のものですが、組織像が大きく、解説の量も適切だと思います。
結合組織あたりのイラストに助けられました。
生体内の細胞、組織の正常像は、この本でイメージつけておけば、
後の病理学でも役立ちますし、
CBTお得意の写真問題に十分対応できるようになると思います。

2.カラーアトラス 口腔組織発生学  ★★★

 

口腔領域の組織像となると、もうこの本に勝てるものはないと思います。

必要事項だけ、最大限大きくてクリアな写真と、端的な解説。

すぐ頭の中に正しいイメージが構築されていきます。

なぜかAmazonで取り扱いがなく(2015/3/6現在)購入が少し煩わしいところが難点。

http://www.shien.co.jp/act/d.do?id=4848

【生理学】

 

1.人体の正常構造と機能 ★★★★★★★

本当にすごい本だと思います。解剖、組織、生理、生化の各分野を横断して、人体の仕組みをわかりやす
最新の第三版では、同じ価格で電子書籍もついてくる!という超オトクな特典がついています。
これはもう買うしかないですね。電子書籍ならスマホやタブレットで文字検索して一発で見たいページに飛べますからね。もう参考書としては最強だと思います。
特に「絵」と「図」が秀逸で、イメージしにくいところをかなりわかりやすくシンプルな表現をしています。本当にこの本がなかったら、分野別でバラバラのままだった知識が沢山あり、その多くがこの本を読むことでまとめあげられました。
シンプルな言葉と絵で構成されているので、わかりやすい分、足りないところがありますが、まずはこれで大きな流れをつかむことが、非常に重要です。その後細かいところ、肉付けしていくのが効率的です。
基礎で言うなら、この本と「Essential細胞生物学」が2大名著だと思います。2万弱で少し買うのに躊躇しますが、マストバイ!のおすすめの一冊です!一度図書館で確認してみてください!

2.トートラ人体の構造と機能 ★★☆

上で紹介した「人体の正常構造と機能」と系統は似ていますが、こちらも解剖、組織、生理、生化など、統合的に理解していくのに役立ちます。やはり絵が綺麗で、シンプルでわかりやすい。同じことを2冊の本でみると理解がより立体的になってきます。外国語を2つぐらい習うと日本語の特徴がよりわかってくるのと類比的というか。図書館などにあれば、ぜひパラパラめくってみましょう。なるほど、そういうことだったのか、という頷きをできるだけ多く得ましょう。そしてそれらのページを後でフィードバックできるようにまとめていくのです。

3.基礎歯科生理学 医歯薬出版 ★☆☆

口腔生理学の教科書がいいのがありません。泣。授業とプリントとこの教科書あわせ技でなんとか、間に合わせた感じ。おそらく多くの人が教科書として買わされていると思います。全然、読んでて勉強なるので良いのですが、もっとわかりやすくいい本ができるとよいと思います。

【生化学】1.トコトンわかる図解 基礎生化学 by池田和正 ★★★

僕が2年生で生化学を学んでいるときに指定された教科書は「ストライヤー生化学」でした。呼んでも全く意味がわからず、その本では、授業の内容のフォローアップも出来ませんでした。そんな時、amazonで「生化学」を検索した時に異様に評価が高い本が本書でした。わらにもすがる思いで購入しましたが、本当にわかりやすい本で理解が一気に深まりました。内容は、所によって、歯学部生の覚えなければいけない範疇を超えて説明されていますが、スラスラ読めるので覚えるというより理解するのに非常によい本です。

 

2.亀田講義ナマ中継 生化学  ★★★

1.の本が、出てから数年、すごく良い本がでました。こちらはよりベーシックな内容をカバーしている印象がですが、やはりわかりやすいです。予備校の先生、さすがの説明のわかりやすさと例え。スラスラ読めてしまいます。きちんと通し読みせずとも一度流し読みして、気にかかる部分を拾い読みするだけでも価値があるかと。kindle版もでているので、是非一度開いてみて欲しい本です。

もちろんこれだけでは足りないので、授業プリントや正書で補足することは必要ですが。足がかりとして全体像とつかむ、基本的な理解を得る、には最高の一冊だと思います。

3.口腔生化学 医歯薬出版  ★★☆

全国の歯学部生が教科書として指定され、購入していると思います。医歯薬出版でだされているシリーズとしてはこの本は非常にわかりやすく文章としても読みやすい印象をうけます。国家試験に関連した、口腔領域に関連する生化学の知識には非常に有用な本だと思います。図や表もわかりやすいので、つまずいた時はまず、この本を開いて、当該部分を読むとすっきりする機会が多かったです。6年次の国試の勉強では必須アイテムです。読みまくりましょう。

 

【細胞生物学・分子生物学】

1.Essential 細胞生物学 ★★★★★★
生理学の参考書でとりあえあげた、「人体の正常構造と機能」と双璧をなす、非常に優れた参考書だと思います。こちらは世界中の生命科学を学ぶ学生が使用しているもので、質が本当に世界レベルで高いです。図も写真もきれいで、説明も非常にわかりやすく、原文と比較しても日本語の翻訳も非常に妥当なものに仕上がっていると思います。
既に持っている人がほとんどだと思いますが、このテキストに書かれていることが理解できるかどうかが生命科学の基礎を理解できているかの分水嶺(基準)となると思います。読んでいてよくわからないな、という人は理解が足りなかったり、そもそも勉強の積み上げ方が誤っていたりするかと思うので、急いで誰かに解説を求めにいくのが吉だと思います。

 

 

 

【歯科理工学】

2年生で最初に歯科理工学を学ぶ学生はまずこれを絶対に読むべきだと思います。歯科理工学の先生には大きく、歯科医師の先生と、そうではない理工学部の先生とがいるかと思いますが、やはり歯科の知識と結びつけてわかりやすく材料のことを紐つけて理解することがわかりやすいです。

この先生に授業を受けていたらどんなに歯科理工が楽に勉強できたか、、、この参考書を開いたときの率直な感想です。

まずはこの本で大まかなイメージ、全体像を掴んでから、微に入り細に入り、知識を肉付けしてくことが効率的な道筋だと思います。

さらなる知識の肉付けには、後述するスタンダード理科理工学が非常に有用です。

2.コア歯科理工学 ★★☆

こちらも歯科理工学の入門書としては秀逸です。文体は、「ライブ歯科理工学」よりは教科書然としていますが、図やグラフ、写真が多く、文章も初心者に易しく書かれているので、最初に歯科理工学を学ぶ人はこちらの本をまず開くのがよいと思います。ある程度知識がついてきて、国試の勉強を始める頃には、次に挙げている「スタンダード歯科理工学」をひもといていきましょう。

3.スタンダード歯科理工学 ★★★

歯科理工学は2,3年生で、授業があり、重点的にならうのですが、その時はこの教科書は、全然「使えない」教科書として位置づけてました。言い回しがわかりづらいし、いちいち細かすぎて、全体像がわかりずらいからです。しかし、4年の終わり、CBTの勉強を始めると、俄然この教科書のお世話になることが多く、かなりためになりました。この教科書をきちんと読むためには、臨床教科の知識が必要だと思います。いやむしろ、保存やクラブリ、有床を勉強した上で、この本を紐解くことでその真価が発揮されるように思います。病院実習で、使用する道具、物質で、よく説明がされず、みんななんとなく使っているものたち、、、、それらをしっかり組成や特徴から根こそぎ理解することが重要です。
ガッタパーチャの組成を知っていますか?シーラはどんな成分でできているか知っていますか?フワフワな理解なものに対して、きちんと細かく説明が書いてあり、臨床の教科の知識の定着度が上る感じでした。

【免疫学】

好きになる免疫学 ★★★★★★

歯学部生の免疫学にはこの本がベストです(断言)。特に歯学部生はそれほどシビアに免疫学の各論を知る必要は無いので、この本に書かれていること理解できれはほぼほぼ十分だと思います。

著者が若くして解説の天才で、イラストとわかりやすいストーリーでまるで面白いマンガを読んでいるように「免疫」について理解できます。特にCD4=ヘルパーT細胞はMHCクラス2とペア、CD8=キラーT細胞はMHCクラス1とペア、を4×2=8、8×1=8、と覚える、と整理しているあたり、素晴らしいと思います。ボディーブローのように何度も模試やテストで救われています。

高い本ではありませんし、すぐ簡単に読み終われるのでまだ読んでいない人は一読を是非ともおすすめします。

 

【薬理学】

ハーバード大学講義テキスト 臨床薬理学 ★★★★

この本がなければ複雑な薬理学を整理して理解することは不可能だったと思います。イラストがわかりやすくシンプルで薬や受容体との関係など直感的に掴めますし、文章・翻訳も自然な翻訳でぐいぐい読み進められます。アセチルコリン受容体とコリンエステラーゼやアドレナリン受容体など歯科でも必須のところをかなりわかりやすく説明されています。
僕はこれの第二版を持っていますが、それでも十分すぎる内容でした。最新のものはフルカラーになったということで、早速新しい物も頃合いを見計って手に入れたいと思っています。図書館にも置いてあると思うので。一度読まれてみてはいかがでしょうか。

 

 

【衛生学・口腔保健学・社会歯科学・その他法律系】

 

1.公衆衛生がみえる ★★★

歯科系で売っている口腔保健学や予防歯科学、社会歯科学の教科書が軒並みわかりずらく、読んでいて眠くなってしまいます。困り果てていた頃、医科系のところを探るとありました。医科では有名な「病気がみえる」シリーズの「公衆衛生」の本です。
何より図やイラストがわかりやすいです。社会保障制度や国家予算、介護制度など結構覚えること多く、複雑で頭がこんがらがってしまうところこの本では、図や割りきった説明でとりあえずの要点を理解することが出来ます。一から読み進めるのではなく「あれってどんな法律だっけ?」みたいな時に辞書的に開いて使っています。
まずこの本にのっているものはこちらで勉強して、歯科系に特化した口腔清掃指標だったり、フッ化物だったりは載っていないので、そのあたりはは授業プリントや正書で補って使っています。

 

2.「加藤の国試合格ノート 3.衛生」★★★

昔「衛生の達人」として販売されていたものです。加藤先生が麻布デンタルスクールに移ったタイミングで、麻布のテキストとして販売されるようになりました。加藤先生の本のシリーズは4冊あるのですが、こちらの衛生がバイブル的で秀逸です。
毎年すぐに売り切れてしまうので、まずは予約注文が始まったら予約をかけておきましょう。衛生学や口腔保健まわりは法律や社会情勢の変化とともに毎年覚える内容が変わってきます。常に最新のものを手元において参照するようにする必要があります。

http://www.azabu-dental.co.jp/category/NOTE/