今回はこの問題です。
105C-42
濃度依存性抗菌薬はどれか。2つ選べ。
a セフェム系
b カルバペネム系
c ニューキノロン系
d グリコペプチド系
e アミノグリコシド系正答 c, e
これは以下の図の様に考えるとすごくわかりやすいです。
「の」依存性=濃度依存性
なんてすばらしい覚え方なんでしょう。一瞬でこれの問題を解くことができるようになります。PK/PD理論は、AUCとかMICとかきちんとやっていくとわかるけど、結局覚えるしかないじゃん!みたいなところに行き着いてしまいました。割りきって簡単な覚え方を紹介しますね。
あとはも少し踏み込んで、抗菌薬の作用の仕方と絡めると、時間依存性のPAE有り無しも分類分けがしやすくなります。
(本当は正しくないのですが、覚えやすいので、私はこのやり方で覚えています。)
1|濃度依存性
このグループは、薬の血中濃度だけが問題となります。薬が血中にいる時間の長さとか、投与回数とかは関係なく、どれだけ血中濃度を高められるか、が細菌を殺す効果に影響します。グラフの最も高いトコロのことをCMAX(血中最高濃度)と呼びます。投与の戦略としては、副作用出る寸前までCMAXを設定し、1日1回飲む感じです。
- アミノグリコシド系(殺菌性、リボソームに作用)
- ニューキノロン系(殺菌性、DNAジャイレースに作用)
2|時間依存性、PAE(ー)
このグループは、薬の血中濃度を最低ラインよりもできるだけ長くキープして置けるかが重要になります。薬物が細菌に効果を持つための最小限の血中濃度をMIC(最小発生阻止濃度)といいますが、このグループの薬は、MICより高い濃度をキープするべく、1日に何度も投与します。1回の濃度は高くてもあまり意味が無いので、とにかく回数勝負です。
所属する薬が、細胞壁合成阻害のものが多いので、常に細菌から産生される細胞壁合成酵素を壊し続けなきゃいけない、ということを考えると納得いきますよね。濃度依存はそもそもその産生するシステムを壊すので、一度どかっと投与すればいいわけです。
- ペニシリン系(殺菌性、細胞壁合成酵素を阻害)
- セフェム系(殺菌性、細胞壁合成阻害)
- カルバペネム系
3|時間依存性、PAE(+)
PAEとは、MIC以下の濃度でも細菌を殺せる効果のことをいいます。なので、時間依存でもあるし、濃度依存でもある、ハイブリッドなグループです。ここでは薬物の投与する「総量」が関係します。
- マクロライド系(静菌性、リボソーム阻害)
- テトラサイクリン系(静菌性、リボソーム阻害)
- バンコマイシン