今回はこの問題です。
106A-91
両側関節突起骨折において保存療法と比較した外科療法の特徴はどれか。2つ選べ。a 関節痛が改善する
b 感染リスクが低い
c 顎間固定期間が短い
d 偏位骨片を整復できる
e 開口訓練の必要がない正答 c, d
関節突起骨折の治療法には2種類あります。
1.保存療法(顎間固定)
2.外科療法(観血的整復固定術)
関節突起の根本の方で折れている、下顎頚部骨折であれば、2.外科療法をすることがありますが、関節突起の頭の方(下顎頭骨折)であれば、ほぼ確実に1.保存療法が選択されます。
また、どちらも、最後に、開口訓練は必要です。
治癒の過程がイメージ出来ない
2.外科療法は、整復固定して、金属プレートでとめるので、なんなく治癒の過程がイメージできますが、1.保存療法では、どのように治るのかイメージできますか?
だって、顎間固定だけして、変な場所に移動した下顎頭の骨片はそのままにしておくんですよ。どうなるか、よくわからないですよね。
保存療法の治り方
保存療法は偏位した骨片は、そのまま放っておきます。とりあえず、顎間固定をガチガチにして、顎を安静に動かないようにすることで治癒を狙います。
放っておいたら、骨が変な形で治ってしまって大変なことになってしまいそうだと思いますよね。以下のように治癒をしていきます。
上の図をみるとわかるのですが、顎間固定して、ずっと安静にしておくと、とりあえず骨片が変な位置のままくっつきます。その後、開口訓練など行うなかで、関節結節などにぶつかりながら、顎の運動に支障なないように、下顎頭の形がいい具合に削れていきます。これで、元の形には戻らないんですが、とりあえず、機能的には問題ないので、これで治癒とする。という感じです。